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干物はどちらが表なのか?

先日、おいしい干物をいただきました。



さっそく焼いて食べようと思ったのですが、干物を目の前に思い出した言葉がありました。それは、



「干物の表はどっち?」



という言葉です。



500干物の裏と表170612



我が家では食卓に干物が並ぶときには身の部分が見えるように置かれます。



500干物の裏と表1706122




皮の部分が見えるよう出されることはほとんどありません。



と言うことは身が表で、皮が裏になります。



しかし、水の中にいる魚は皮が見えていて身の部分は絶対に見えません。



皮が表ということになります。



不思議な話です・・・



開かれると裏が表に、表が裏になります。






禅の言葉(禅語)に賓主歴然【ひんじゅれきねん】という言葉があります。



賓【ひん】とは、大切な客人

主【しゅ】とは 客人を迎える主人



のことです。



賓主歴然とは主人と客の区別がはっきりと明白なことを意味する言葉です。



禅語の解説書には



主と客とが明確に分かれていて、互いにそのあり方を侵さないこと



とも書かれています。




客人は大切な客人として徹底的に振る舞い、主人は主人となりきる。



その2人が自分の役に徹することを説く言葉にも感じます。




魚も卵から成魚に成長する過程で、もともと卵と言う1つの細胞が分裂を繰り返し、ある細胞は皮になりまたある細胞は筋肉(身)になります。



筋肉になった細胞は皮になりたいと希望することなく、皮は皮の役割を果たします。



魚の干物を目の前にしたときに、



「裏なのか表なのか?」と悩むのではなく、魚の皮は皮であり、筋肉は筋肉の役割を果たすことを思い出し、自分に与えらえた役割に迷うことなく徹することの大切さを学ばなくてはいけないと反省しながらおいしく干物をいただきました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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