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努力したのにどうしてこんなになったんだろう

「努力したのにどうしてこんなになったんだろう」と嘆かれるが、努力だけで物は済まないことに気が付いていない。

東京へ行こうとする人が、最初の一歩を九州へ向けて踏み出したとするならば、後は努力すればする程、東京から遠ざかる。






強烈な言葉です。





 これは、「不二」という機関紙の第12号(昭和58年3月25日発行)に掲載された、花園大学の学長も務められた京都 大珠院 盛永宗興老師の言葉です。
  
※全文はこちらです





お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。


これを八正道【はっしょうどう】と言います。8つの正しい道の1つが正見【しょうけん】であり、正しく物事を見ることを意味しています。



500仏教豆知識シール235 八正道【1】1正見




この正見について話されたときに「努力したのに・・・」との言葉が出てきたのです。





 この言葉に触れたとき、小学生の頃に、祖母の家から帰るため静岡駅から清水駅まで1人で電車に乗ったとき、間違えて反対方面の電車に乗ったことを思い出しました。


 見慣れない景色を初めは楽しんでいましたが、徐々に不安になり、慌てて電車を降りて、たくさんの人に助けられて帰宅したときには安心をしたことを思い出します。


 間違った努力も初めはワクワクしたりして気持ちがいいのかもしれません。


 しかし、電車に乗っているのに目的地が近づかないので恐怖心が出てくるように、努力をしているのに成果が出ないと不安になってきます。


 ここで、反対方面への電車に乗っていることに気が付くように、努力の方向が間違っていることに気が付くためには冷静に物事を見る必要があるようです。


幼いころの私には、見ず知らずの大勢の大人が助けてくれました。


努力の方向を間違えたときに助けてくれるのは「自分自身の心」であり、心を調えていなければ自分自身を救うことができないのだと感じます。





「努力したのにどうしてこんなになったんだろう」と感じたとき、これからは自分自身と向き合う努力をしようと思います・・・







そういえば、この記事を書きながら小学生の頃にバスも乗り間違えてとんでもない方向に行ってしまい、知らないバス停で途方に暮れていたら、たまたま通りかかった女性に助けられたこともあったことを思い出しました。

豪快な女性で回送バスを無理やり(!?)止め、私を乗せたうえで、バスの運転手さんに「この子を○○まで運んでね」と言ってどこかに行ってしまいました。

おかげで無事に帰宅することができましたが、改めて多くの方に助けられて今の自分があることを思い出すこともできました・・・

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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