子供に坐禅会で話したこと 第252番 老女
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
涅槃図シリーズ その10 【老女:ろうにょ】
です。
東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。

突然ですが問題です。
金メダル・銀メダル・銅メダル
1位になったらもらえるの何メダル??
そう、金メダルです!!
では、金・銀・銅 値段が一番高いのはどれ??
そう、金です!!
何で、金は高いのでしょう??
美しいから??
確かに金はきれいですね。でも、銀も銅も金に負けないくらいきれいです。
では、なぜ昔から金が人気なのか。
それは、まず多く取ることができないこと。
それから、金銀銅のなかで一番変化しにくいからです。
金 銀 銅 を置いておくと、金は金色のままあまり変化をしませんが、
銀は黒くなったり、銅はさびて緑色になったりします。
当然さびれば壊れやすくなってしまいます。
金は汚れや変化に強く、さらに加工しやすいため昔から大切にされてきました。
お寺に金色のものがあるのを見たことがあるかと思いますが、
金 = 変化しなし = 仏教の大切な教え
という考えなどから、お釈迦様の教えが長い間伝わり続きますようにとの願いも込めて金を使っています。
さて、お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図である「涅槃図」でもお釈迦様は金色に輝いています。
しかし、涅槃図でも確認することができないのですが、実はお釈迦様の足(金色)には変色している部分があるそうです。
このシミは老女【ろうにょ】の涙によって変色したと言われています。
老女は百歳にもなる女性であり、お釈迦様をお参りしようとやってきたのですが、供養の品を持っていないことを悲しみながらも、これからも一心にお釈迦様を拝むことを誓い、心をこめて足をさすりながら涙を流したそうです。
相手の足を洗ったり、温めたりと、大切にすることは、相手のことを尊敬し大切にしていることを表します。
このときの涙がお釈迦様の御足を濡らしたそうです。
変化をすることが少ないはずの金を変色させてしまうほどの涙には多くの思いが詰まっていたのでしょう。
この涙の跡を目にしたお弟子様達は、大変感動したとの話しも残っています。
当時のインドでは男性と女性に大きな壁がありました。しかし、お釈迦様のお弟子様は老女だけでなく女性のお参りも分け隔てなく許したと言われています。
男性だから、女性だからといった差別がないのも仏教の特徴の一つです。年をとった女性が分け隔てのないお参りする姿を涅槃図に描くことで、誰にでも、いつでも、いつからでもお釈迦様の教え大切にしていくことができることを示しているのかもしれません。
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