子供に坐禅会で話したこと 第251番 阿那律
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
涅槃図シリーズ その9 【阿那律:あなりつ】
です。
東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・

※以下の内容は子供向けに話したものです。
お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図を「涅槃図」と言います。
この涅槃図には多くお釈迦様のお弟子様が描かれています。
その中の一人が阿那律尊者【あなりつそんじゃ】です。
実はこの阿那律尊者は目が見えません。
お釈迦様が話をしているときに居眠りをしてしまったのです。
もちろん、お釈迦様に見つかって注意をされました。
皆さんで言えば学校の授業中に居眠りをして先生に見つかって怒られたようなものです。
私がもしも学校で居眠りを注意されたら
「あ、ごめんなさい!」
とは言うものの、あまり反省をせずに同じ失敗を繰り返してしまいます。
しかし、阿那律尊者は全く違います。
二度と居眠りをしないことを誓ったのです!!つまり、もう寝ないと決めたのです。
学校ならば 居眠りをしなくても、毎日家に帰ってくるので、ゆっくり眠ることができます。
しかし修行ではそうはいきません。修行には学校みたいに終わりの時間がありません。
そのため、この厳しい修行によって目が見えなくなってしまいます。しかし、心の目を開かれたと言われているのです。
心の目とは何でしょう?
それは、正しくものを見る目です。
分かりにくいですよね・・・
言い方を変えると、間違えることなく見ることができるようになったのです。
例えば、嘘をついている人がいたときに、どうしてもだまされてしまうときがあります。
そんな時も相手が本当のことを言っているのか、嘘を言っているのかがわかるのです。
そんな心の目を開いた阿那律尊者はお釈迦様が亡くなったときに大きな働きをします。
それは、シールにも書いてあるように
「お釈迦様が亡くなったことを見極めて葬儀を取り仕切った。」
のです。
お釈迦様が亡くなった時に、みんなが泣いて悲しみました。
とても何かできる状態ではありません。
お釈迦様の教えを聞き続けた阿難尊者【あなんそんじゃ】も、
動けなくなってしまった弟子の1人です。このままではお釈迦様の教えが広がらないと考えた阿那律尊者は
「たとえお釈迦様が亡くなっても、その教えは消えて無くなることはなく、多くの人を助けていく。私たちが頑張ってお釈迦様に教えてもらったことを、みんな教えていこう」
と倒れている阿難尊者に話し、阿難尊者はその言葉で元気を取り戻して、動き出したのです。
ですから、阿那律尊者がいなければ仏教、つまりお釈迦様の教えは広がることはなかったのです。
私達は、誰かが亡くなると、亡くなった人と2度と会えなくなってしまうと感じます。
しかし、阿那律尊者のように正しく見ることができれば
「体は無くなってしまうが、亡くなった方と心の中でいつでも会うことができる」
と分かるのです。
では、みんなが心の目を開くにはどうしたら良いのでしょうか?
やっぱり寝ない!!?
それは、難しい・・・
心の目を開くには やっぱり、坐禅ですよね。
心の目を開くには心を落ち着けることはとっても大事なことです。
ですから、みんなも心の目が開けて、正しく見ることができるようになるまでぜひ坐禅を続けていってください!!
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