子供に坐禅会で話したこと 第254番 速疾鬼
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
涅槃図シリーズ その12 【速疾鬼:そくしっき】
です。

東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。
お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図を「涅槃図」と言います。 涅槃図のなかにはお釈迦様が亡くなった訃報を聞いて駆け付けた多くのものが描かれています。
その中に速疾鬼【そくしっき】がいます。
しかし、悲しみのあまり集まった他の人達と違って速疾鬼【そくしっき】がここに来た目的は、なんと泥棒です!速疾鬼の特徴としては
鬼の姿
人の血肉を食べる
空を飛びまわる。
といったものがあります。 できれば会いたくない種類の人です・・・
そして、 お釈迦様が亡くなられたとき、お釈迦様の歯を盗んで逃げたとも言われています。
「なんだ、歯か」
と思うかもしれませんが、これは重罪です。
お釈迦様が無くなったときに多くの人々がお釈迦様の御骨を手に入れて仏塔(大きな大きなお墓)を建てようとしていました。とても大切なものです。
もちろん盗んではいけません。しかし、彼は実行をしてしまったのです。
もちろん、悪いことをすれば必ず捕まります。
彼もすぐに捕まってしまいます。
では、なぜ泥棒を涅槃図に書くのでしょうか?
それはシールにも書いたように、速疾鬼が後に改心して仏教を守る守護神になったためです。
仏教(お釈迦様の教え)は、みんなが一緒に幸せにいきていく方法を教えてくれています。
みんながニコニコして過ごす方法を教えてくれているのです。
皆さんは学校で嫌なことがあったら何をしますか?
みんなが仲良くするためには・・・
何か嫌なことがあったとき、相手を許すことが大切です。
でも、許すことはとても難しいことです。
そして、逆に許してもらうことも難しいのです。
しかし、そのことが大切なことだと誰もがわかっています。
でも、できない・・・
頭で分かっていてもなかなかできないものです。
だったら実際にやってみましょう。
坐禅と同じです。言葉でどんなに説明をされてもできるかどうかわかりません。
やってみると良さがわかります。
許すことも謝ることも同じです。
まずは「ごめんなさい」 「うん、いいよ」
声に出してみましょう。自分でもびっくりするくらい気持ちがよい声が出るかもしれません。
涅槃図の速疾鬼は
まずはやってみること、そして許すことの大切さを伝えてくれているのだと思います。
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