子供に坐禅会で話したこと 第249番 阿難
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
涅槃図シリーズ その7 【阿難:あなん】
です。

東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。
お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図を「涅槃図」と言います。
今回は、涅槃図の中に書かれている人の中でもかなり有名な人を紹介します。
どんな涅槃図にも必ず登場する大切な方です。
その方の御名前は阿難【あなん】です。
お釈迦様の教えを最もよく聞き、全てを覚えたお弟子様と言われています。
お釈迦様の話しが好きで好きでたまらない人だったのです。
どれくらい好きかが分かる話が残っています。
あるとき阿難は病気になり背中を手術しなくてはならなくなりました。
しかし、当時の医療技術は今とは比べ物になりません。当然麻酔もありません。
つまり背中を切ったりするときも暴れないように誰かに抑えてもらい手術するのが一般的でした。
しかし、彼は違います。手術中にお釈迦様の教えを聞くことで麻酔の代わりにしようとしたのです。
彼は、その後手術をするのですが、お釈迦様の話しを聞くことができることに大変喜び、背中を切られたことに気が付かなかったそうです。
しかし、いつかはお別れの時が来てしまいます。
大好きなお釈迦様が亡くなってしまったので、阿難は悲しみのあまり気を失ってしまいます。
そこで別の御弟子さんが阿難を介抱しながら
「お釈迦さまは亡くなっても、教えがある。
教えが残っているではないか。
この教えで人々を救っていこうじゃないか」
と言われ正気に戻った。とのことです。
その後、阿難はお釈迦様の教えをできるだけ多くの人に伝えるために、教えてもらったことを「お経」という形にして人々に伝えていったのです。
大切な人を亡くしたら誰でも悲しいことです。
しかし、大切な人が死んでしまったからと言って「もう会えないなんて悲しいなぁ」とだけ悲しむのではなく、
大切な人を自分自身が心の中で思い出すことで、永遠の別れではなく、反対に大切な人が自分の中で生き続けていることを涅槃図の阿難を見て感じてくれるとうれしいです。
ちなみに、この阿難と言う御弟子様は涅槃図で必ず登場します。さらに、阿難は美男子だったそうです。
今でいうとイケメンです。ですから、涅槃図を見るときには「シュッとした感じ」のイケメン和尚を探してみてください。きっと涅槃図の中央付近に描かれていると思います・・・
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