子供に坐禅会で話したこと 第248番 錦袋
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
涅槃図シリーズ その6 【錦袋:にしきぶくろ】
です。

東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。
お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図を「涅槃図」と言います。 様々な人物だけでなく風景や「物」が描かれています。
それら一つ一つが今を生きる私たちに様々なことを教えてくれています。
その代表が沙羅双樹の所にある「錦袋」です。
鮮やかな色で描かれることが多い包みです。
この中に何が入っているのか。説は2つに分かれます。
1つが薬【くすり】、
1つが衣鉢【えはつ】です。
今回は衣鉢【えはつ】だとして話を進めていきます。
※薬【くすり】については後日・・・
これは、修行者がいつも持っている袈裟と食器のことです。これがお釈迦様の唯一の持ち物であると言われています。
お釈迦様は
「自分の物など何もありません」
と常に説いてきました。
吾等もとより空手にして、この世に来り、空手にして又帰る
という言葉にもあるように、
私たちは生まれたときに何も持っていません。みんな服も来ていない状態で、手にも何も持たずに出てきます。そして、亡くなるときも何も持たずに帰っていくのです。
しかし、そのように言われると
「え、お釈迦様だって食器をもってるじゃん! 衣もあるじゃん! 持ってるじゃん!!」
と思うかもしれません。
仏教では教えが伝わると師匠の袈裟と食器を弟子に渡します。
ですから、お釈迦様の教えはお弟子様に伝わりましたので、お釈迦様はやっぱり何も持っていないのです。
ですから、もしどこかで涅槃図を見たときに、沙羅双樹の木の部分にある錦袋に気が付いた時には、
吾等もとより空手にして、この世に来り、空手にして又帰る
自分の物など何もない。全てはみんなのもの。みんなのものだからこそ大切に使おう
と考えてくれればと思います。
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