子供に坐禅会で話したこと 第235番 クシナガラ
子供坐禅会(平成29年春休み:テーマは涅槃図)で話した内容を紹介させていただきます。
今回は
涅槃図シリーズ その2 【拘尸那竭羅:クシナガラ】
です。

東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。
お釈迦様が亡くなる時の様子を描いた図を「涅槃図」と言います。
お寺にお参りに行くと掛け軸など様々な絵を見ることがあるかもしれませんが、涅槃図は特に登場人物が多い絵ですので見覚えがある人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、お釈迦様が亡くなれた場所はクシナガラと言われています。
お釈迦様がいよいよ力尽きクシナガラで休むと言った時、御弟子様の1人が質問をしました。
「このような ひなびて物さみしいところで亡くならなくても、もっと大きくて立派な場所があるではありませんか。そういった場所で亡くなれば、たくさんの人が来てお釈迦様の教えを聞いてくれると思うのですが、なぜこんなに寂しい村を選ばれたのですか。」
そこでお釈迦様は答えました
「今はさびれた地とはいえ、ここは昔大きな都があり私は前生においてこの地にいたのです。だからこそ、今この場所で休み死んでいくのです。」
涅槃図を見たときに、どうしても多くの登場人物に目がいってしまいますが、絵では表現されない部分もあるようです。
お釈迦様が「前世においてこの地を治めていた」と言ったのは、前世の記憶があることを自慢しようとしているのではありません。目に見える目先の関係だけでなく、目には見えない部分や、過去から未来までもが縁で繋がっていることを示された言葉だと私は考えています。
涅槃図を見たときに、何を感じて欲しいのかといえば、目で見える景色だけなく、目には見えない世界にも大切なつながりがあることを感じてください。
具体的に言えば、1人の命が誕生するには2人の両親が必要で、その2人の両親が誕生するには4人の祖父母が必要です。このような命のリレーとも呼ばれる命のつながりはなかなか絵で表現をすることが難しいかも知れません。しかし、感じとることはできるはずです。
そして、過去も未来も両方を大切にするために何ができるのかといえば、
過去と未来の間である「今」を大事にすることこそが大切だと感じとっていただければ幸いです。
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