お坊さんの本業とは何か
私は以前、中学校の教員をさせていただいていました。
有り難い御縁をいただき、今でも卒業生と会うことがあります。
そして、私が今は僧侶をしていると知ると卒業生の中には
「先生、だったら丸儲けだね」
と声をかける者もいます。私が
「そんなことはないよ。給料は公務員のときのほうがよっぽどいいよ。」
と答えると、たいていの場合
「え、だって 坊主丸儲け っていうじゃん!」
と驚かれます。

・平均年収よりも僧侶の所得(様々な宗派の僧侶が正直に答えた金額の平均)が少ないこと
・僧侶も所得税を支払っていること
などが驚かれるポイントです。
さらに、僧侶と普段から関わりのない一般の方にとって
僧侶が給与を受け取ることに対する仕事は「葬儀での読経」などの「お経を唱える」ことだけであると考えているようです。
「僧侶の本業【ほんぎょう】は何か?」
という質問に対して、ある和尚様は
「僧侶の仕事は生き方を見せることである」
と言い、別の和尚様は
「お釈迦様の教えを伝えこと」
と言い、さらに別の和尚様は
「一般の方に生前に授戒を受けて仏教徒になっていただくこと。」
と答えます。
私の個人的な考えでは、仏教の教えが伝わることが僧侶としての本業だと思っています。
ですから、「読経が本業で、それ以外は本業ではないこと」、などという区別はありません。
・葬儀や法事で読経や法事も
・坐禅会や写経会などの会
・仏教の教えを伝える法話
・お寺の維持管理費
・お寺やお墓の清掃
・
・
・
全てが本業なのです。
「先生、だったら丸儲けだね」
そんな言葉を聞くたびに、僧侶として真摯に生きていくことが大切だと感じます・・・・