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「和」を実践し実感する

ある和尚様が子供達に、




「お寺はね、みんなが幸せに生きていくための勉強をする場所なんだよ!」





と話していたのをよく覚えています。





小さい子供にも分かりやすくお寺や仏教、そして宗教が存在する意味を伝えてくださっていると感じました。

こまめ 心施 カラー500


「みんなが幸せ」を示す仏教の言葉はたくさんあります。



和合【わごう】

瓊瑶世界【けいようせかい】

和敬清寂【わけいせいじゃく】

和を以て貴しとなす【わをもって とうとしとなす】






などなど。昔から伝えられた教えはたくさんありますし、実践方法も示されています。





そして、「和」を大切にすることで多くの人々が救われた「現代の実践」の話しを聞くことが先日できました。







平成29年3月9日・10日に福島県のいわき市で開催された「平和・復興のいのり」でお参りをさせていただきました。
2日間のお参りで、多くのことを感じることができました
※法要やお参りの様子を紹介した記事はこちらです。





「和」大切にする現代の実践は法要が行われたハワイアンリゾートの責任者であり、東日本大震災の際に被災しながらも復興に尽力された方の話しです。






福島県いわき市にハワイアンリゾートができたのは、基幹産業であった炭鉱の閉鎖がきっかけです。


炭鉱で働いていた人の働き口、そして炭鉱を掘っているときには邪魔者あつかいされていた湧き出る温泉を活かすために常夏のハワイを日本に作ろうとしたのです。



小さな温泉街に大きなリゾート地ができることに当初地元の方々は反対をしたそうです。



しかし、「たくさんの人が来てくれれば地元も必ずうるおう」と説得してようやく開業にたどり着いたそうです。



そして、ハワイアンリゾートには多くの観光客が訪れるようになりました。落ち着いた宿泊先を求める人や、ホテルに泊まりきれない人は地元の温泉街に宿泊したりして町は大いににぎわいました。



ここでハワイアンリゾートの従業員から



「人はたくさん来るのだから、もっと建物を増設しましょう」



と声が出たそうです。しかし、当時の社長は決してこの意見を認めません。社長は



「ここで大きな建物を建てることは難しいことではない。しかし、建ててしまっては地元に流れていた人達を全吸い込んでしまう。自分達だけ成長し地元が寂しくなるようではだめだ」




と、かたくなに20年以上新しい施設の増設認めなかったそうです。だからこそ、リゾートと地元が互いに成長することができるようになったそうです。





そして、あの震災が起こります。当然、苦しい時期なのですが、地元の人達から大きな支えが復興へ力になっています。




もしも、ハワイアンリゾート開業当初にどんどん、増築を重ねれば地元は疲弊していったことでしょう。疲弊した街とハワイアンリゾートしかなければ復興への道は険しいものになったに違いありません。






開業時の社長が「和」を尊ぶ方だったからこそ、その縁が今でも続いているのです。




本当に苦しいときこそ「和」を大切にすること、苦しいときに「和」を意識せずとも自然と出てくるような人間になれるように精進をしていきたい。



その為にも普段から「和」を意識した行動をしていかなくてはならないと感じました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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