苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その8 正定【しょうじょう】

娘が自転車の練習をしています。
本人なりに一生懸命練習しているようです。
その姿を見ていると30年ほど前に自分も自転車に乗れるようになった時のことを思い出します。
転ばずに進むことができるようになった瞬間の感動と手ごたえなどを思い出しました・・・・

お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。
これを八正道【はっしょうどう】と言います。
その中の1つに正定【しょうじょう】があります。
正しい精神統一をすること。そして、精神を集中することで安定して迷いのない清浄な境地に入ること。
を意味します。
「正しい精神統一」を正確にお伝えしようとすると、大変難しい話になってしまいますので、今回は「正定」を正しい坐禅と考えてみました。
娘が自転車の練習をしている姿を見て、子供の頃に練習した自転車と坐禅には共通する部分があるように感じました。
自転車に乗りたいと感じたら
1.自転車を用意して、まずは乗ってみる
2.練習を重ねることで乗れるようになる。
3.自転車に乗りこなして、どんな場所にでも行けるようになる。
と段階を踏んでいくことができます。
坐禅も同じです。
坐禅をしたいと感じたら、
1.とりあえずやってみる。坐ってみる。
2.できるようになる。坐禅をすることで心を調えることができるようになる。
3.使いこなせるようになる。坐っているときだけでなく、ありとあらゆる場所で心を調えることができるようになる。
と段階を踏んでいくことができます。
臨済宗妙心寺派の生活信条に
1日1度は静かに坐って 身と呼吸と心を調えましょう
とあるように、
坐禅は「姿勢」と正し、「呼吸」を正すことで、心を正していきます。
順番を付けるとするならば・・・
1.姿勢を正す
2.呼吸を正す
3.心を正す
となります。
「姿勢を正す」こととは、坐る姿勢を調え、背筋を伸ばす、足を組み、手の形などを調えることを言います。
「呼吸を正す」こととは、数息観【すうそくかん または すそくかん】という呼吸法で自らの呼吸を調えることを言います。
そして「心」は自分自身の中にある尊い心を実感することです。
自転車に乗りこなせれば、これまでに行くことができなかった場所へ行くことができるようになるなど、大きく活動範囲が変わります。
同様に「正しい坐禅」をすることができれば、日常生活も調った心で過ごすことができるようになります。
しかし、自転車を用意したからと言ってすぐに乗りこなすことができるようになるわけではありません。
坐禅も同じです。
坐り方の知識を身につけても実践は別物です。
自転車に練習が必要なのと同様に坐禅にも多くの練習が必要です。
その練習の場の1つが、様々な坐禅会なのです。
坐禅会は東光寺(静岡市清水区横砂)だけでなく、様々な寺院で行われていますので機会がありましたら、是非「正定」の第1歩として御参加いただければと思います。
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