大般若の見どころってお経の本をパラパラするところですよね!

先日、東光寺(静岡市清水区横砂)では1月7日に行う大般若祈祷会【だいはんにゃきとうえ】について、
「大般若の見どころってやっぱりお経の本をパラパラするところですよね。あれは見たいと思うんですよね。」
と話してくださる方と出会いました。
その女性が「お経の本をパラパラ」とおっしゃったのは上の写真のように転読【てんどく】をしている姿のことです。確かに普段はなかなか見ることができない貴重な場面です。
おっしゃる通り見どころの一つだと思います。

しかし、せっかくならこの写真の中の

この場面だけでなく

こちらの場面にも注目をしていただきたいのです。
私はこちらの場面も大好きで、法要に参加させていただいているときは間違いなく一番力が入っている瞬間です。
大般若の法要にお参りいただいた方でしたら御存知かと思いますが、僧侶は転読の前後に・・・
・・・
・・・
叫んでいます。
大きな声で叫んでいます。
「降伏一切大魔最勝成就」(ごうぶくいっさいだいまさいしょうじょうじゅ)
と叫んでいます。
なぜ叫ぶのでしょうか。言葉の意味としては
一切の悪い心を取り除き、清浄な人間として完成することを誓い、祈る言葉です。
別に大声で叫ばなくても良いはずです。
しかし、叫ぶのです。
法要後、話がしずらくなるほどの負担を喉にかけながらも叫ぶのです。
なぜ、そこまでして叫ぶのか。
その答えとなるような一文が臨済宗の和尚様の著書の中にありました。
私達は欲がらみの願いのときは大きな声で願えないから、小さな声でヒソヒソ祈るものです。
ところが大般若祈祷会の祈りはそんなけちくさいのではない。
そんなけちくさい思いのような内なる魔も、外に起こる一切の魔も打ち滅ぼして、仏道を成就しようという祈りだから、正々堂々と大きな声で唱えられるのです。
参列してくださっている方々が、一切の悪い心を取り除き、清浄な人間として完成することを誓い、祈る言葉なので大きな声で堂々
と叫ぶことができるのです。
先程の臨済宗の和尚様の著書にはこの声を
参加している者の心の中をすっからかんにしてくれるほど心身に響く
とも紹介されています。
大般若に参列してくださる際には、「お経の本をパラパラするところ」だけでなく、大きな声で堂々と叫んでいる姿にもご注目いただければ幸いです。
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