苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その6 正精進【しょうしょうじん】

「エジソンは何をした人ですか」
と聞くと
「電球を発明した人」
と答える人が多くいます。
先日、電球のことを調べていると、エジソンは電球を発明したのではなく、電球の寿命を飛躍的に伸ばし販売に値する商品にした人であることが分かり、衝撃を受けました・・・
お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。
これを八正道【はっしょうどう】と言います。
その中の1つに正精進【しょうしょうじん】があります。
「精進」は仏教の言葉で、
精魂をこめてひたすら進むことを意味する言葉です。
また本来は、出家したのちひたすら宗教的生活の一途に生きることを意味します。
「精進」を簡単な言葉にすると「一生懸命に努力すること」となります。
この精進に「正」がついて正精進となり、正しい努力を続けることを説く言葉となります。
エジソンが生きた時代には、以前から数時間しか光らない電球はすでにあったようですが、数時間しかもたない電球を購入する人はいません。
そこでエジソンは実験を繰り返し、発光部分に竹を使うことで電球が200時間光り続けるようになることを発見します。
さらに世界中の竹を集めて実験を繰り返すことによって日本の真竹を材料にすることによって発光時間が1,200時間にまで延びることを見つけ出しました。
これによってエジソンは電球の発明者と言われるようになったそうです。
エジソンが電球の材料として「竹」を使うことを発見するまでには多くの努力を続けました。
さらに「竹」が良いことに気が付いてからは、さらに努力を続けます。世界中に1,000種類以上あると言われる竹を全て集め、実験を繰り返したそうです。
その努力の先に日本の真竹があったといことです。
私はエジソンが行った努力は蜘蛛が巣を貼る様子に似ていると感じます。
蜘蛛は巣を大きく貼ることによってエサを捕まえる確率を高くしていきます。小さな巣にもエサとなる昆虫が飛び込んでくる可能性はありますが、大きくなればその可能性は高くなります。
蜘蛛が大きな巣を貼ることは、エジソンが世界中の竹を集めることとよく似ています。
そして大きく貼った巣に小さな生き物が引っかかることは、エジソンが最良に「竹」に出会えたことによく似ています。
そして、この努力こそが正精進なのだと思います。
私達の生活で言えば、「まずは、何かに挑戦すること」も正精進の1つではないのでしょうか。
いろいろな事に挑戦することは蜘蛛の巣を大きくすることだと思います。
まずは挑戦、そしてさらに多くのことに挑戦することによって、どんどん巣は大きくなってきます。
そして、大きくなった巣に引っかかる生き方を見つけることができれば、自然とその道を極めるための努力を続けることができるのだと思います。
「まずはやってみる」という努力を続けることも、道を究めるための努力を続けることも、どちらも正精進といえるのではないでしょうか。
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