苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その5 正命【しょうみょう】

年齢とともに、考え方や味の好みなど様々なものが変化をします。
私は幼い頃「味噌」が苦手でした。夕方に帰宅をすると家の外でもカレーの匂いがして嬉しそうにドアを開ける思い出がある人もいるかもしれませんが、私の場合は玄関の外からでも「味噌汁」の匂いを感じることができ、暗い気持ちでドアを開けた記憶があります。
あれから何十年・・・・
味の好みも大きく変化し、今では、「ご飯と味噌汁そして漬物」が最高のごちそうになっています。
また、若かりし頃は温泉旅館での宿泊に、何の魅力があるのかさっぱり理解できませんでした。
「温泉に入って、のんびりするなんて、時間がもったいない。」と本気で考えていました。
今では、「温泉宿に泊まって何もしない」という贅沢な時間にあこがれるようになりました。
お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。
これを八正道【はっしょうどう】と言います。
そして、正命【しょうみょう】は八正道の1つであり、正しい教えに従って生活をすることを説く言葉です。
豆知識シールは縁側でお茶を飲んでのんびりしている姿を描きました。
そして、八正道で説かれる
正しく見ること
正しく考えること
正しい言葉を使うこと
正しい行動をして悪から離れること
といったことを、のんびりとしながら思い出している姿です。
また、彼が座っている場所の下には「悪」が潜んでいることも小さく描いてあります。
突然、「正しく見る生活をしなさい」、「正しく考え、生活をしなさい」、・・・と言われても難しいものです。
どうしたらいいのでしょうか。
それには、絵で表現したように ゆっくり・ゆったりとお茶を飲むことが大切です。
絵には悪が縁の下にあります。
悪をなくすことは大変に難しく、なかなか無くなりません。
でも、そっとしまっておくことはできます。
バタバタと忙しい生活をしていると「悪」は出てきます。
しかし、ゆったりとしていると「悪」は出てこられません。
ゆっくり・ゆったりとお茶を飲むことが大切です。
お茶の成分だけでなく、お茶を飲むときには 「ふー」と息を吐きます。
これが大事なのです。
ふーと息をゆっくりと吐くことができれば、それは坐禅の呼吸となるのです。
臨済宗妙心寺派の生活信条に
一日一度は静かに坐って 身と呼吸と心を調えましょう
とあるように、呼吸を調えることは 心を調えることに直結をしているのです。
毎日の坐禅、またはゆったりと「お茶」をいただきながら呼吸を調えること、 これこそが正命の実践そのものなのだと思います。
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