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体感する食事五観文【しょくじごかんもん】

東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児がサツマイモの収穫体験を行いました。



500サツマイモの収穫体験161130



6月に植えた苗が、何とか実をつけてくれました。



500サツマイモの収穫体験1611303




園児が収穫体験をした場所は「子供の畑」という名前がついた保育園から大人の足なら徒歩5分程度の場所にある施設です。



畑と名前は付いていますが、素人の私が管理しているので決してフカフカの状態の良い土ではありません。



サツマイモの収穫も力任せに抜こうとすると芋が折れてしまいます。



ですから、園児たちは丁寧に土を掘りサツマイモを収穫していきます。



500サツマイモの収穫体験1611302




楽しい体験というよりも、苦労を体験することになります。



園児の中には、なかなかサツマイモを掘り出すことができずに泣きそうになる子供もいます。



500サツマイモの収穫体験1611304




短い時間ですが、収穫が終わると畑はさっぱりとします。





個人的には「苦労」をすることは大切なことだと考えています。




禅宗では食事の際に食事五観文【しょくじごかんもん】をお唱えしてから食事をいただきます。



食事の際の誓いと言うことができる教えです。



「五」という数字が入っているとおり5つの誓いがあり、



1つ目は、

私達の前にある食べ物には、多くの人達の苦労があったことを思い、すべてのものに感謝してこの食事をいただきます。



2つ目は

十分な修行ができていないのに、この食事をいただくことができます。自分の日々の行いを反省してこの食事をいただきます。



3つ目は

欲張ったり残したり、好き嫌いせず、ありがたくこの食事をいただきます。




といった内容になっています。



保育園の園児で食事五観文をお唱えする習慣がある子供はいないと思いますが、食事を得るまでの苦労を少しでも体験することで、



1つ目の「多くの人達の苦労」を感じ、

2つ目の「食事をいただくこと」の有難さを感じ、

3つ目の「欲張ったり残したり」することも減ってきます。




まさに苦労しながら収穫体験をすることで食事五観文の1つ目から3つ目までを体感しているように感じるのです。




飽食と言われるこの時代だからこそ、食材を得るまでの苦労を体験することが貴重なことなのだと改めて感じます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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