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変わっていく意味 【微妙】

東光寺(静岡市清水区横砂)臨済宗妙心寺派のお寺です。




本山は京都にある妙心寺です。



この妙心寺には 微妙殿 とよばれる場所があります。



500妙心寺微妙殿1




大変に広い場所ですので、様々な法要等が行われています。



500妙心寺微妙殿2





500妙心寺微妙殿3




「微妙」は仏教では「みみょう」と読みます。



現代的では「びみょう」と読むことが一般的になっています。




そして、微妙【びみょう】と聞くと現代では


「あまり良くない、うれしくない」


と、とられがちです。





しかし、辞書で調べると



・趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。

・ 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。




と、記しています。




そして、仏教語辞典で 微妙【びみょう】と調べても、何も書かれていません。




微妙【みみょう】と調べなくては意味を読むことはできません。





微妙【みみょう】とは

・仏教の真理、教えや、それを悟る智慧(ちえ)の深遠ですぐれたさまを形容する語




と書いてあります。




ですから、妙心寺の微妙殿【みみょうでん】は仏教の教えや奥深さを感じて欲しいとの願いも名前に込められているように感じます。




現在使われている




「あまり良くない、うれしくない」




とは正反対の意味です。ですから、初めての微妙殿の名前を見た方には言葉の意味から説明しなくては本当の意味を知ってもらうことはできません。






葬儀や法事は本来、亡き人のことを想い法要を行ってきました。しかし、現代では「葬儀なんていらない」と考える人が珍しくなくなってきています。




微妙という言葉が持つ意味が

「奥深い素晴らしいもの」から「あまり良くない、うれしくない」

と変化しているように、様々な複合的な要素が重なることによって葬儀が持つ本来の意味が変わってきてしまっているように感じます。




この、様々な要素を一つ一つほぐしていき、葬儀が持つ本来の意味、そして力を伝えていかなくてはならないと感じる今日この頃です。

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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