草葉の陰【くさばのかげ】から見守っている

いますがごとく
という言葉があります。
亡くなった方、御先祖様をお参りするときに、「いますがごとく」お参りをすると良いと言われます。
そこに、お参りをする人がいるかのようにお参りをするのです。
小さい子供がお葬式で
「おじいちゃん、天国へ行っても僕のことを見ていてね」
と言うことがあります。

遠い遠い場所から見守ってくれている姿が目に浮かびます。
しかし、昔から使われてきた言葉、「いますがごとく」では様子が異なってきます。
お墓の掃除をするときは、お風呂で亡き人の背中を流すように掃除をする。
御仏壇にお膳をお供えするのであれば、そこに本当に人がいると思ってお供えをする。

なぜでしょう?
私はなぜ「いますがごとく」お参りをするのかと言えば、恩返しだと思っています。
亡き人が生きているときに、何かを残してくれたから恩返しするのではありません。
例え亡くなっても
そこに いてくれる
多くのことを 教えてくれる
今でも 支えてくれているのです。
仏壇やお墓、お寺で手を合わせたて何かを語りかえれば、本当の声で答えてはくれませんんが、
まるで、近くにいるように話すことができます。
亡き人の姿と思い出し、思い出から学ぶことは今でもたくさんあります。
そして、お参りをすることで心が調い、今を生きる力になるのです。
亡くなった方、御先祖様は決して遠くに行ってしまうわけではありません。
すぐ近くで見守ってくれているのです。
(昔からの言い方では、これを 草葉の陰【くさばのかげ】から見守っている と言います)
だからこそ、お参りをするときには
いますがごとく
が大事なのです。
- 関連記事
-
- いがみ合うのではなく 拝み合う (2016/11/12)
- 仏教が説く平等とは (2016/11/11)
- 草葉の陰【くさばのかげ】から見守っている (2016/11/09)
- 百千億倍! 百千万倍ではダメなの? (2016/11/08)
- 無功徳と言われた武帝の謙虚さ (2016/11/07)