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写経会のときに どんな話しをしているの? その38

東光寺(静岡市清水区横砂)で行われている写経会で、副住職(新米和尚)の法話と配布させていただいている絵葉書を紹介させていただきます。


※なぜ、絵葉書と法話(仏教のお話)が登場するのかはこちらをご覧ください。

※写経会の御案内はこちらをご覧ください。




 今回は第38回目です。 



平常心【びょうじょうしん】

 
一般的にも良く使われる言葉に




平常心【びょうじょうしん】




 があります。「へいじょうしん」と呼ぶことが多くありますが、仏教では「びょうじょうしん」と読んでいます。




意味合いとしては
日常の心。常日頃の心。常日頃の心とは、本能のままにふるまったり、普段のままではなく、真理のままにある状態を言います。





写経会 絵葉書 38 平常心
↑↑写真をクリックすると大きく表示されます







 以前、職場の先輩に釣りに誘われて渓流釣りに挑戦したことがありました。長年渓流釣りをしてきた先輩と2人で出発をしました。目的の川に到着すると、車を停めて釣りを開始します。






私も知らなかったのですが、渓流釣りは海での釣りのように一ヶ所にとどまって釣りをするわけではなく、どんどん歩きながら釣る場所を変化させながら釣りを楽しむものだそうです。





 素人の私の針にかかる魚などいませんので、私にとって先輩との渓流釣りは自然の中で川登りを楽しむ場所でした。




 しかし、ある日のこと事件が発生します。それまでは朝早くに釣りをしていた私達でしたが、「たまには夕方に出発しよう」ということになり、夕方に釣りを開始しました。慣れないことはするべきではありません・・





釣りをしていたのが山の中だったため調べていた日没時間よりもかなり早くに日が沈んでしまったのです・・・





月も無く、山の中の川ですので近くに道路も人が歩く道も無いため灯りは一切ありません。携帯電話も電波が届かない地域なので車に置いてきていました。その影響で懐中電灯も車に忘れるという失態が重なり先輩と私の2人は完全に動くことが出来なくなりました。初めての遭難で私は多くの感情が入り乱れ、大変混乱した状態になっていました。






実は絵葉書の写真は遭難前に撮影した写真です。




美しい自然の中をただ水が流れています・・・・





恐らく、遭難した私が、日没後に同じ場所で写真を撮影しても、そこに写る景色は明るさが変化するだけで、他には大きな変化はなかったと思います。ただ、そこに川があり、流れているのです。






平常心とは、まさにこの自然と、自然の中を悠々と流れる川のようなものだと感じます。





誰かに見られているか、見られていないのか、山奥なのか都会なのか関係なく、川はサラサラと流れ続けます。





周囲に影響されることなく、そして自分自身にもこだわることなく、心を調えることの大切さをこだわりの無い「川の流れ」に教えてもらった気がします・・・
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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