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船を見て「つながり」を感じる

東光寺(清水区横砂)は海の近くにあります。





数百メートルも移動すれば清水港と呼ばれる海に出ることが出来ます。





昔は大変にぎやかな海水浴場だったと年配の方に聞くことが多くありますが、私自身は幼少期の頃から「貿易港」としての姿しか見たことがありません。





清水港は、富士山と三保の松原に囲まれた美しい港で外国船員の人気も高く、長崎、神戸とともに「日本三大美港」の一つだそうで、客船の寄港も多いようです。





残念ながらお寺から豪華客船を見ることが出来ませんが、別の大きな船は見ることが出来ます。





それが「地球深部探査船 ちきゅう」です。




500地球深部探査船 ちきゅう






この「ちきゅう」は大きな船で、海の底を掘り進めることができる世界に類を見ないすっごい船です!





マントルや巨大地震発生域での掘削を行うことによって、地球内部の構造やその影響を調べる研究に使われています。





始めて、そんな壮大な船が存在をすることを知ったときにも感動をしましたが、そんな船が自分が生活している場所から見ることが出来ることを知ったときには大変驚きました!!





ちなみに、この船の高さは、海面から121メートル(m)あり、水深2,500mから海底面下7,000mまで掘ることができるのです。





少し、難しい言い方になってしまいました・・・





つまり、たかさ121mの船で海へ出ていき、2500m下の海底までパイプを伸ばします。そして、パイプが海底に到達すると7000m下まで掘っていくことが可能なのです!!





すごい技術だと思います。





たった121mの船で9500m下までつながることができるのです!!




パイプを伸ばすと簡単に紹介してしまいましたが、どのように伸ばすのでしょうか!?





それは、10m~30mのパイプを船の上でつないでいくのです!!





9500mの長さに比べれば10~30mのパイプなど短すぎると考えてしまいがちです・・・





短いと思えるパイプを地道につないでいくことによって、やがて目的地に到達できるのです。





私はこの、「パイプをつなげていく」という工程が、御先祖様から受け継ぐ伝統や仏教が伝わっていく過程に似ている気がします。





地球や人類の長い歴史の中で考えれば私達の人生は非常に短いものです。しかし、受け継いだ大切な「命」や「教え」を受け取り、つないでいく。





9500mものパイプをつないでいくときでも、どこか1本でもパイプが壊れていれば、全ての作業がむだになってしまいます。地道な作業に感じたとして、途中の工程の全てが大切なものなのです。





これと同じことが私達が受け継いだ「命」や「教え」にも言えるのだと思います。





短いと感じる人生の中にも非常に大切なものがあり、無駄に生きることは許されないのです。





・・・そんなことを窓から見える大きな船を見ながら感じていました!
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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