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こちらの気持ち と 布施の心

 先日、お菓子を乗せる懐紙【かいし】の折り方についてブログで紹介をさせていただきました。
※記事はこちらです。




懐紙の折り方を工夫することで、受け取る人が取りやすくなるというものです。






500小さな気遣い 懐紙160630





さっそく、東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児が坐禅体験に来るので実践をしてみました。





園児達は坐禅の後の茶礼【されい】を楽しみにしています。





湯飲みを受け取り、お茶を入れてもらう作法や、姿勢を良くお茶を飲んだりお菓子を食べることは上手に行うことができます。



しかし、並んだお菓子を懐紙と一緒にお盆から受け取ることは上手ではありません。



小さい手で一生懸命懐紙を持ち上げようとするのですが、なかなか上手にできずに苦労しているのです。



そこで、今回は懐紙に工夫を真似したのです。これなら園児も上手に受け取ることができるだろうと期待していました。



ところが・・・



彼らは懐紙の変化に気が付くことなく、いつも通り時間をかけながら苦労して懐紙を持ち上げたのでした・・・・



「なぜ、気が付かない!?」



心の声が外に出てしまうのではないかと不安になりました。



なぜ、気が付かない!?と思ったときに別のことも考えました。



それが仏教の中でとても大切にされる布施【ふせ】の気持ちです。



布施は 見返りを求めない ことを前提にした行動です。



つまり、



「お金を払ったからしっかりとお経を読んでね!」という考え方や、「これだけのお賽銭を入れたんだから願いをかなえてね、仏様!」とは全く別のものです。



見返りを求めずに、ただただ誰かの為に行動することが布施と呼ばれるのです。



「なぜ、気が付かない!?」



と、感じたということは私の心に「させていただく」ではなく、「してやったんだ!」という気持ちがあったと言うことなのです・・・
「ただただ、誰かの為に行動する」ことの難しさを改めて実感させていただきました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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