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宝物を手に入れる方法・宝物を輝かせる方法

以前、2週間をかけて法話(仏教のお話)について学ぶ研修を紹介させていただきました。




この、研修会では様々な宝物を得ることができます。




その1つが「互評用紙【ごひょうようし】」と呼ばれる紙です。


500互評用紙160605
↑私がいただいた互評用紙




 自分が15分間の法話をしたときに、その法話聞いていた研修に参加をしている他の和尚様方が意見を書いてくださった紙を互評用紙とよんでいます。




 今回は約50人の方が参加しての研修会でしたので、私が発表をしているときも50人が話しを聞いてくださっています。



 みなさん、話しを聞きながらも感想や助言を紙に書いてくださっているのです。




そして、法話が終わったと同時に互評用紙は回収されていきます。最終的には回収され束ねられた互評用紙は発表者へ届けられます。





温かい感想や、暖かい助言、的確な指摘があふれたこの紙を読めば読むほど



・自分の法話に何が足りないか
・何が余分だったのか
・どのような改良をすれば良くなるのか・・・



など多くのことを考えるきっかけとなります。



まさに宝です。



自分自身が多くのことを学ぶことができる互評用紙ですが、研修参加者の1人1人の発表者の法話をじっくりと聞いて一生懸命に互評用紙を記入しているからこそ「ただの紙」が「宝物」に変化していくのです。





じっくりと聞くことにより、聞いている人にとっては話してくださった内容が宝になり、


話した人にとっては、感想文が宝になる。




切磋琢磨【せっさたくま】という言葉が似合う光景だと考えながらも




瓊瑶世界【けいようせかい】




という言葉を思い出しました。





 1643年に日本を訪れた朝鮮通信使の朴安期は、「瓊瑶世界」という書を静岡市清水区興津にある清見寺に残しました。この言葉は現在でも鐘楼(ゴーンと鳴る鐘)に掛けられています。「瓊瑶世界」とは「瓊」「瑶」の二つの美しい玉が、お互いを照らし合い、さらに輝きを増して美しい世界が広がる。という意味です。





 当時「瓊瑶世界」の二つの美しい玉とは、日本と朝鮮の二つの国を示したと考えることができます。異なる文化を持ち言葉は通じなくても、相手を照らし続けることが大切であるということ。お互いの信頼と真心が、美しく輝く平和な世界を築くことができると伝えてくれていると感じます。





 そして、この「瓊瑶世界」という言葉は、国と国とのことばかりではなく、現代の人と人との関係においても大切にしなくてはいけない大切な言葉です。





研修で、自分自身の宝を輝かせたいと考えるならば、



自分の宝を光らせる

相手が光る

自分がもっと光らせてもらえる




となることに気が付かなければならないはずです。





「自分が輝く・自分が輝かせていただく」ためには、やっぱり自分を磨くことが始まりとなるのです!






 【瓊瑶世界】

~互いに照らし合って輝きを増す~






 という言葉と、2週間の間にいただいた約250枚の互評用紙を見ながら、宝はやっぱり自分の中にある。まずは自分で磨くことが大切だと実感していました・・・
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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