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「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その3

「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その3


臨済宗青年僧の会の機関紙「不二(ふに)」にオンライン坐禅会についての記事を書かせていただきました。
僧侶が読む機関紙ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいと考え、ブログで紹介をさせていただきます。少し長い文章になりますので3回に分けて紹介をさせていただきます。



その1 オンライン坐禅会とは
 
その2 分身ロボット

その3 「でも」から「だから」




「でも」から「だから」


600オンライン坐禅会20210607



オンライン坐禅会を開催し始めた頃、 「オンライン 〝でも”坐禅会が開催できる」と考えていました。

あくまでも、お寺で開催する坐禅会の代用品がオンライン坐禅会だと自分自身が感じていた部分がありました。


しかし、実際に開催を続けていくことで、参加者から

「距離があって坐禅会をやっているお寺に行くことができないけれどオンラインなら参加ができる」

「子供が動いてしまうので、他の人が一緒に坐る坐禅会には参加しずらいけど、オンラインなら安心して参加ができる」

などの声をいただき、さらに坐禅会を担当する僧侶からも

「お寺の用事で県外へ行かなければいけないのだが、宿泊先からでも坐禅会を開催することができた。 」

などの声を聞くと

「オンライン〝だから”開催できる坐禅会」があると感じるようになっていきました。




そして、 「テクノロジーによって、人々の新しい社会参加の形の実現」がすぐそこにまで来ていることを感じた時、身体的な理由によってお寺に来ることができなかった方にも仏教や禅との出会いを作り出すことができると確信しています。


オンライン坐禅会だからこそできることがあるのです。



そのことを忘れずに、今後も活動を続けてまいります。

今後もこれまで通りのオンライン坐禅会は継続しながら、様々な方法を模索し、より多くの方に禅や坐禅の魅力を伝えていきたいと考えています。

そのためには、一緒にオンライン坐禅会の運営に携わっていただける方や直日を担当し坐禅会を開催してくださる和尚様の存在が必要不可欠です。


「青年僧の会」が主催ではありますが直日を担当していただく方の年齢は問いません。御自身でオンライン坐禅会の開催を検討している和尚様がいらっしゃいましたら、予期せぬトラブルへの対応だけでなく、互いに刺激し合い切磋琢磨できる臨済宗青年僧の会のオンライン坐禅会で一緒に坐禅会を開催しませんか。

皆様からの連絡をお待ちしています!

「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その2

「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その2

臨済宗青年僧の会の機関紙「不二(ふに)」にオンライン坐禅会についての記事を書かせていただきました。
僧侶が読む機関紙ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいと考え、ブログで紹介をさせていただきます。少し長い文章になりますので3回に分けて紹介をさせていただきます。



その1 オンライン坐禅会とは
 
その2 分身ロボット

その3 「でも」から「だから」





分身ロボット


600分身ロボットカフェ



日本でコロナウイルスの感染が始まって三年が経とうとしています。多くの行事が中止や縮小に追い込まれ「不要不急」という言葉に心を乱されていましたが、少しずつコロナウイルスへの対応方法を模索することで、多くの行事が開催されるようになってきました。そんなときに聞こえてきたのが

「やっぱり対面が一番だよね。」

という言葉でした。私自身、久しぶりに直接お会いすることができた方と食事をしながら「直接会うのが一番だね。」と言葉を交わしたことがありました。

しかし、何気なく使っているこの言葉が本当に正しかったのか。 「対面(直接会うこと)が一番」という言葉が誰かを傷つけているのではないかと考えさせられることがありました。


そのきっかけは、東京・日本橋にある「分身ロボットカフェ」へ行ってロボットに接客をしてもらったことです。昨今では、ファミリーレストランなどでも配膳をする機械が登場して話題になっているので「ロボットカフェ」と聞くと、全てが機械化されたカフェを想像する方もいるかもしれません。

しかし、日本橋にある 「分身ロボットカフェ」は様々なものが機械化された施設ではありません。 〝分身”という言葉にあるように、人間の分身としてロボットが働くカフェなのです。そして、このロボットを操作するのは、病気など様々な理由で外出することが困難な人達なのです。

実際にカフェを訪ねると車椅子での生活を余儀なくされた方や、寝たきりの生活をされている方などが自宅にいながらロボットを操作し、飲み物や食事を運ぶだけでなく、注文を取ったり商品の説明をするなど一般的なカフェで働く人と同じ役割をされていました。


私がカフェを訪れた際に対応してくれた店員さんは九州地方で暮らす方でしたが、普段は病気のため車椅子生活で、働くことが難しいと思っていたときに、分身ロボットカフェの存在をしり、迷うことなく働くことを希望したと話してくれました。

また、食事中に話しかけてくれた別の店員さんは、生まれたときからの病気の影響で寝たきりの生活を続けている方でした。この方も、自分がまさか働くことができるとは想像もしていなかったのですが、 「外に出て働くことができてとてもやりがいを感じている」と教えてくれました。


もちろん、やりたいと言う気持ちだけで働くことができるわけでありません。わずかに動く指と視線で入力をするパソコンを使用し、自宅で機器を操縦しているそうです。しかし、そう言った苦労を見せずに積極的に客である私に話しかけるその姿は、ロボットの形はしているものの、その中に確かな人間性を感じることができる存在だったのです。


この分身ロボットカフェはホームページに「テクノロジーによって、人々の新しい社会参加の形の実現を目指しています。ぜひ、少し先の未来を体験しに来てください!(ホームページより) 」と書いてあるように、今までにない新しい形で多くの人が社会に出られる環境を作ろうとしていますし、すぐそこに、確かな人間性を感じることができました。



私はこの経験をしたときに、 「直接会うとは何なのか」と問われているように感じました。私自身が何気なく使っていた「人と人は直接会うことが一番だね」ということは、このカフェで働く方が、自分自身の力ではどうすることもできないことだったのです。


様々な機器の発達によって私達が何気なく発した言葉が、想像を超える早さで多くの人に伝わる時代になりました。時には意図しない範囲にまで自分の声が伝わることもあり、それが結果として相手を傷つけることになることがあるのです。


外に出たくても出ることができない方にとって、私が何気なく発した「人と人は直接会うことが一番だね」といった言葉はどのように受け取られたのでしょうか。



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「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その1

「オンラインでもできる」から「オンラインだからできる」 その1


臨済宗青年僧の会の機関紙「不二(ふに)」にオンライン坐禅会についての記事を書かせていただきました。
僧侶が読む機関紙ではありますが、少しでも多くの方に読んでいただきたいと考え、ブログで紹介をさせていただきます。少し長い文章になりますので3回に分けて紹介をさせていただきます。



その1 オンライン坐禅会とは
 
その2 分身ロボット

その3 「でも」から「だから」


600オンライン坐禅会担当 202211




その1 オンライン坐禅会とは



臨済宗青年僧の会では「オンライン坐禅会」を令和二年四月二十六日に始めました。


そして一日も休むことなく開催を続け、始めた頃は十人にも満たない参加者数が少しずつ増えていき、最大で百六十人を越えるまでになりました。


これまでに約千九百回開催し、十三万人以上の方が参加をされています。(令和四年十一月現在)


以前も不二で紹介をさせていただいた「オンライン坐禅会」ですが、今回の記事では百回以上坐禅会の直日を務めた四人の僧侶が二年半の活動を振り返ると共に、オンライン坐禅会の開催を通して感じた、これからのインターネットやオンラインと仏教・禅の関わり方について紹介をさせていただきます。


臨済宗青年僧の会が開催しているオンライン坐禅会とは禅僧が直日(修行道場の坐禅堂の取締)として坐禅会を開催し、一般の参加者が集まって坐禅をするものです。


これまでに臨済宗・黄檗宗だけでなく、曹洞宗の僧侶も直日を務めています。考え方としては臨済宗青年僧の会がインターネット上に坐禅をするための会場を設置・運営し、ここに坐禅を指導してくださる僧侶と坐禅をしたい一般の方が集まっていただくというのが臨済宗青年僧の会が主催するオンライン坐禅です。


きっかけはコロナウイルス感染拡大の影響です。臨済宗青年僧の会の総会や定例会を、Zoom アプリを用いて各人が自らの寺にいながらにして催すことになったことと、日本全国に緊急事態宣言が発出した日にマレーシア在住の日本人から臨済宗青年僧の会の事務局員である私のもとに一通のメールが届いたことが始まりです


その方は数年前に私が運営する寺子屋体験・子供坐禅会(一日かけてお寺の体験をする子供向けの行事)にお子様を参加させた方でした。マレーシアも外出禁止令が出ているため家に閉じこもっているときに、以前子供が坐禅会に参加したことを思い出し、生活リズムが崩れがちな子供と一緒に坐禅をしたいと考え、オンラインで坐禅を教えてくれないかとお話をいただきました。


そこで、さっそく Zoom アプリを使った子供坐禅会を開催しました。最終的には依頼者が友人達に声をかけ十二家族が参加してくださり、マレーシア、東京、静岡、アメリカの方々と坐禅を共にすることができました。この体験で、画面を通して空間を共有できる Zoom アプリでの坐禅会は大きく発展していく可能性を感じました。さらに、特別な機材を購入することなく、現在使用しているパソコンやスマートフォンなどの機器で十分に開催可能なのも魅力のひとつでした。




〜開催して感じたこと〜

オンライン坐禅会を始めると協力いただける和尚様が多くいること、そして参加してくださる一般の方が非常に多くいらっしゃることを実感しました。


一般参加者の中には「お寺の坐禅会に参加していたけれど、コロナで中止になったのでオンライン坐禅会に参加した」という方もいらっしゃいますが、 「お寺の坐禅会に参加したことはないけれど、オンラインなら参加できそうなので参加した」という方が非常に多くいらっしゃいました。


このことは、一般の方の中には今まで身近に坐禅会と出会う機会がなかっただけで、坐禅会・禅の教えを求めている方が多いことを示しています。今まで私はそのような期待に応えきれていなかったということを肌で感じ、インターネットを活用した坐禅会だけでなく様々な形での布教の形を模索し始めるきっかけになりました。



今後は、 「オンライン坐禅会」という坐禅や禅の教えに一般の方が触れる機会や場所を提供できる状態を継続すること、そしてこの取り組みを多くの方に知ってもらうことが大切だと考えています。


さらに、オンライン坐禅会には多くの可能性があると感じています。私はオンラインとオフラインの融合に魅力を感じています。 「オンライン」にだけこだわるのではなく、「オフライン」 (従来の坐禅会)をオンラインで結び、お寺での坐禅会に参加できる方はお寺へ、お寺には行けないけれど坐禅会に参加したい方はオンラインで一緒に坐禅ができる会も考えています。



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成道会(じょうどうえ)特別オンライン坐禅会 開催報告

600臘八徹宵夜坐 オンライン坐禅会 20221207




先日の記事で紹介をさせていただいた、臨済宗青年僧の会のオンライン坐禅会で開催をした『成道会特別坐禅会』の開催報告です。


担当したのは私ではありませんが、裏方として参加させていただき、素晴らしい坐禅会でしたのでご報告させていただきます。





担当は臨済宗青年僧の会のオンライン坐禅会で毎週水曜日を担当する曦(あさひ)宗温和尚様です。




今年は12月8日の成道会が木曜日と言うことで、その前日の12月7日が水曜日でした。



そこで、毎週水曜日を担当する曦和尚様が、「ぜひ、成道会までの時間坐禅会を開催したい」とおっしゃられたので、朝まで坐禅会を行うことになったのです。


開催決定が直前になってしまったため、告知が十分にできなかったのが申し訳なかったのですが、当日は60人以上の方が参加をされ、深夜から明け方にかけても常に50人前後が参加され続けていました。



臘八徹宵夜坐(ろうはつ てっしょう やざ)と名付けられてた坐禅会は


令和4年12月7日(水)21時からの通常通りの坐禅会が終了した22時から始まりました。


お釈迦様が12月1日から8日の朝まで坐禅を続けられて悟りを開かれたことから、禅宗の僧侶は同じ期間に坐禅をすること。


そして12月8日にはお釈迦様が悟りを開かれたことを祝い感謝する法要である成道会が行わること話してくださいました。


そして、いよいよ坐禅です。

25分の坐禅と5分の休憩を繰り返し行いました。

日付が変わった午前0時と午前2時30分に経行(きんひん)が行われました。

これは少し長い休憩ではありません。簡単に言ってしまうと坐禅をしている場所を歩く坐禅です。

足を動かすことで固まった関節や筋肉を柔らかくする効果がありますが、大切なことは姿勢と呼吸をととのえて一歩一歩を大切に歩むことで心が調ってくることを実感することです。

経行後も坐禅は続き、午前5時に坐禅は終了しました。

この後は、曦(あさひ)宗温和尚様がいるお寺(静岡市清水区の東壽院)本堂で行われた成道会の法要にオンラインで参加させていただきました。

厳かな雰囲気の中で、行われた成道会の法要は素晴らしいものでした。



開催をした我々の予想を大きく上回る参加者の数や、参加者からのうれしい感想をいただき、禅の教えだけでなく実践である坐禅が多くの方に求められていることを改めて感じました。


「来年は24時間坐禅会かな!?」


という声も事務局からも出ており、発展性のある坐禅会になりました。


中心となって企画・運営をしてくださった曦(あさひ)宗温和尚様には感謝するばかりです。


今年は日程が合わなかったり、告知が届かずに参加ができなかったという方もいらっしゃるかと思います。


来年の予定は未定ですが、決定したときには臨済宗青年僧の会の

ホームページ http://www.rinsei.net/
・Twitter https://twitter.com/rinseisou
・Facebook https://www.facebook.com/rinseisou

等でお知らせいたしますので、確認いただくかフォローをしていただくと嬉しいです。

今後も通常通りのオンライン坐禅会は開催を続けていきますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします!


600オンライン坐禅会 成道会特別編

成道会(じょうどうえ)特別オンライン坐禅会のお知らせ

600オンライン坐禅会 成道会特別編


とっても魅力的な坐禅会のお知らせです!!


もちろん、担当するのは私では・・・・



ありません!担当は臨済宗青年僧の会のオンライン坐禅会で毎週水曜日を担当する曦(あさひ)宗温和尚様です。


なんと、毎週水曜日を担当する曦和尚様が、朝まで坐禅会を行います。




日時

令和4年12月7日(水)21時から翌朝午前5時30分まで



内容(予定)

12月7日
21時:通常通り坐禅会開始
22時:通常の坐禅会 終了
    特別坐禅会 開始

12月8日
午前5時:坐禅終了 成道会法要
午前5時30分頃:終了
午前6時:通常通りの坐禅会開始(担当:横山)





成道会(じょうどうえ)



悟り開くことを成道といいます。
成道会とは12月8日にお釈迦様がお悟りを開かれた事を祝し、感謝する法要です。

お釈迦様は、出家をされてから6年間にわたって苦行を続けられました。
その後、行ってきた苦行を離れ、身体を癒し、菩提樹の木のもとで坐禅に入りました。

そして、1週間後の12月8日朝、東の空に輝く明けの明星をご覧になりお悟りを開かれたのです。

このお釈迦様の坐禅修行にちなんで、現在でも臨済宗の修行道場では、12月1日から8日の朝までの期間を「臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)」といって、不眠不休の厳しい修行を行っています。




今回は、曦(あさひ)宗温和尚が、”成道”にちなんだ坐禅会をオンラインで開催してくださいます。

”オンライン坐禅会”ですので、入退室自由です。無理のない範囲で参加していただける坐禅会ですので、興味のある方は、ぜひ一緒に坐って身体と呼吸と心を調えましょう。


参加方法等はホームページを御確認下さい。

人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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