ロウソクの灯りは雰囲気づくりじゃないんです。
【後悔しないお葬式㉓ 献灯(けんとう)】
今考えると恥ずかしいのですが、お仏壇にあるロウソクはお線香に火をつけるための道具だと思っていました。
もちろん、雰囲気づくりのための物でもありません。
「灯り」は仏の智慧(私達が持っている”落ち着いた心”)を表しており、灯りをお供えすることで、その心で亡くなった大切な方を供養することを表します。
※ここで紹介している内容は東光寺(臨済宗妙心寺派)で行っているお葬式についてのお話です。宗派や地域によって違いがあることを御了承ください。
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私
今回はお葬式などで行われる献灯(けんとう)を紹介したいと思っています。
妻
献灯…お葬式の中で何かやってる?目立たないだけ?
私
そうなんだよね。献(けん)は”ささげる”ことを意味しているから、献灯は”灯(ともしび)をお供えしているんだよね。
ロウソクに火をつければ、それが献灯なんだよね。
妻
ロウソクには火がついてるもんだと思ってるから、特別注目してなかったよ。
私
「ただいまより献灯を行います。」と言って献灯をすることは少ないからね。
妻
うんうん。始まるときからロウソクって火がついているイメージがあるからね。
私
そうなんだよね。だけど、献灯用の道具があれば、みんなで合掌礼拝をする前に法要のひとつとして献灯をしているんだよね。
妻
へぇスタンプ
献灯用の道具があるときとないときがあるんだ!
私
そうなんだよね。で、あるときには、「仏様の智慧を表す灯りをお供えいたします。」と私は伝えるようにしています。
妻
智慧!頭にピカン☆と光ってる感じでしょうか
私
う~ん!スタンプ
智慧をしっかり説明しようとすると、大変な時間と文字数が必要なので、ざっくりと言ってしまえば、
「私達に備わっている、何事にも動じることがない落ち着いた心」
と、言えるんだよね。
妻
ほへ~ スタンプ
私
つまり、お葬式で献灯をするのは、私達が持っている”落ち着いた心”をお供えすると同時に、その心で亡くなった大切な方を供養するということなんだよね。
妻
ただロウソクに火をつけて、なんとなくいい雰囲気にしてるわけじゃないのね!!!落ち着いた心をお供えしてるのかー。
でも母の葬儀のとき、‟落ち着いた心”なんて自分にはなかった気がするな…
私
それはそうだと思うよ。大切な人を亡くしたときに落ち着いていられる人は多くないよ。だからこそ、献灯のようにその心を思い出す習慣が今でも大切にされていると感じているんだよね。
妻
そうだね。ロウソクの火が表しているものを知ることで、少しは落ち着かせることができるかもしれないね。
私
だから献灯が終わったら、「全ての荘厳(しょうごん:お参りをする場所を飾ること)が整いましたの、合掌礼拝を捧げます。」と言ってお葬式を始めるんだよね。
妻
そうかあ。場所の見た目だけじゃなく、参列する人の心も整って、そうしてお葬式が始まるんだね。ロウソクに火を灯すというのはその合図とも言えるのかもね。