お葬式のお膳が白木な理由
【インスタで学ぶ、後悔しないお葬式㉒ 一膳飯(いちぜんめし)】
亡くなった方の枕元に山盛りのご飯をお供えしてるのを見たことはありませんか?
あの山盛りのご飯を「一膳飯(いちぜんめし)」と言います。
もちろん、いろいろな意味を込めてお供えしています。
知っているようで知らない。
でも大切な想いが込められた大切な習慣を、少しでも多くの方に知って欲しいです。
※ここで紹介している内容は東光寺(臨済宗妙心寺派)で行っているお葬式についてのお話です。宗派や地域によって違いがあることを御了承ください。
毎週土曜曜日にインスタ(Instagram・インスタグラム)を更新し、その内容をブログにも掲載しています。
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妻
先週予告した通り、今回は【一膳飯(いちぜんめし)】について教えてもらおうと思います!よろしこ!
そういえば、最後なんて言ってたっけ?
私
白木のお膳の話のときだよね。
「亡くなった直後にお供えするのが一膳飯だね!法要のときにお供えするのが白木のお膳だよ!」
と言ったようです!1週間経過すると記憶が薄れています・・・
妻
大丈夫。昨日のことも薄れてるからー
私
ですね!寝ればほとんど忘れてしまいます・・・
妻
母が亡くなったときも直後にお供えしてたのかあ…自分で用意してないからあんまり覚えてないなあ。なんかもったいないね…残念な気持ちになるね。
私
最近は業者の方に用意をしてもらうことが多いから覚えてないこともあるよね。確かにお供え物の意味を知らずに終わってしまうのはもったいないね。でも、今から学んでも遅くないよ!
妻
そだね。で、一膳飯にはどんな意味があるのでしょう?
私
一膳飯には諸説があって、一言で説明するのが難しいんだよね。
でも、見た目の説明をするなら「山盛りのご飯にお箸が刺さっている供物」だね。
妻
意味を聞いてるんですけどー
私
申し訳ありません。
仏教の話としては、お釈迦さまが亡くなる前にご飯を用意したけど、生前に囗にすることができなかったため、死後にお供えしたのが元になっているんだよ。
妻
なるほどー。やっぱお釈迦様と同じようにしたい、っていう気持ちがあるんだね。
私
そうなんだよね。尊いお釈迦様と同じように大切な故人を送りたいという気持ちは変わらないんだよね。
でも、一膳飯に込められた想いはその他にもあるみたいなんだよね。
妻
たとえば?
私
まずは「お弁当」だね。亡くなった方が死後の世界で旅をする際のお弁当として”たっぷりのご飯”を用意したと言う人もいるよね。
妻
モリモリですね!おかずも欲しい気がするけど(笑)他には?
私
驚きの顔文字
その他にも、亡くなった方のお茶碗を使うことで、「ここにあなたのご飯があるから、どうか帰ってきてください」という想いを示しているとも言われているんだよ。
妻
そうだねえ。大事な人なら帰ってきてほしいって思う気持ちになるよね。
私
興味深いことに一膳飯には反対の意味もあるんだよね。仏教が伝来する前の日本では”死者は悪い霊になる”という考え方があったんだよね。
だから山盛りのご飯を用意することによって、「これが死者のご飯。たくさん用意するから生きている者の食事に手を出さないで」という考え方もあったみたいだね。
妻
へえ~!とらえ方、考え方もいろいろだね。でも、なんにせよ亡くなった方にごはんをお供えしようという気持ちは基本なのかもね。
私
そうだね。その想いは箸を立てることにも現れているよね。
箸を立てることで、「極楽への橋渡し」を願うとも言われているし「亡くなった大切な人だけに食べて欲しい」という意味があるともいわれているんだよね。
妻
一膳飯ひとつとっても、こんなにたくさん知らないことがあることに驚いてます。
私
知っているようで、知らないことってたくさんあるよね。でも、やっぱり受け継がれた習慣には大切な想いが込められているから、少しでも多くの人に知って欲しいね。