自分で自分を褒めるほど努力をしているのか・・・

私は娘の寝かしつけをすることがあります。
子供達も それなりに成長たため寝るまで抱き上げていなくても、布団で本を読み、科学などの話をして、電気を消せばしばらくすると寝ます。
しかし、この電気を消した後が実は勝負の時間になります。
それは、自分と睡魔との激しい戦いがここで始まるのです・・・・
子供達と一緒に私も寝てしまえば良いのですが、子供達が寝た後の時間というものは来客や電話の心配をせずに事務仕事ができる貴重な時間なのです!!
ですから、子供達が寝た後は布団から抜け出したいのです。
妻は疲れているときなどは睡魔との戦いを放棄し、1時間程寝て復活できるのですが、私にはできません。
ですから布団に入る前にコーヒーを飲むと言う裏技を発見するまでは、ある方法で睡魔と戦っていました。
実に簡単な方法で、寝かしつけをしながら睡魔と戦うことができるのです。
方法
1.仰向けで寝た状態で「かかと」を数センチ浮かせます。このとき膝は曲げてはいけません
2.1の状態で「頭」も数センチ浮かせます。
3.できるだけ長時間この状態を維持しようと努力します。
4.疲れて「かかと」・頭が布団についてしまったらやり直し
これを繰り返すと腹筋が刺激され睡魔はどこかに行ってしまうことが多くあります。
静かに、そしてほとんど動くことなく行うことができる運動ですので、寝かしつけをしながら運動不足解消にもちょうど良いのかもしれません。

私がこの腹筋の運動に出会ったのは高校時代の部活動でした。
先輩から突然呼ばれ
「おい、今から1分間必死になって腹筋をしてみろ!」
と言われました。 私は自分なりに必死になって腹筋をしました。
「これだけ必死になってやったんだから、十分がんばった! 俺はがんばった!!」
と息を切らしながら考えていました。
するとその様子を見ていた先輩が、足と頭を受けたまま1分間その姿勢を維持するように言ったのです。
先輩が見ていますので途中で足や頭を下ろすわけにはいきません。30秒が経過する頃から腹筋が大変なことになってきました。先輩が
「よし、1分!」
と言うころには信じられないほどの疲労に襲われていました。自分なり必死になって取り組んだ腹筋よりもはるかに負荷のかかる辛い腹筋となりました。
先輩は、我々後輩が自分を追い込むことなく練習する態度を言葉ではなく「腹筋」を使って教えてくれたのだと思います。
そんな体験をしているにも関わらず、高校を卒業して20年が経った今となっても、自分ではがんばっているつもりでも、がんばりきれていないことが私には多々あります・・・
仏教には 四弘誓願文【しぐせいがんもん】 という短いお経があります。 わずか28文字のお経です。
このお経は仏教徒として常に心に留めておく必要がある4つの誓いの言葉であり、読経の最後に心を込めて合掌しお唱えするお経です。
このお経の中に
仏道無上誓願成【ぶつどうむじょうせいがんじょう】
という言葉があります。
・仏道とは仏への道や修行を表す言葉
・無上とは、上が無い・際限がない
・誓願成とは 完成することを願い誓う
ことを意味しますので、仏道無上誓願成は
仏となる道には際限がないが、その道を完成させることを誓う
とも表現することができます。
とても強い意志がなければ達成することができない目標です。
一生懸命腹筋をしたつもりになっていた自分が足と頭を少しだけ上げ、非常に辛い思いをし、自分の腹筋が足りないことを知ったのと同様に
、
坐禅をして、お経を唱え、作務(労働)を自分なりにがんばって取組み、
「最近の自分はよくやっているな!」
と自分が感じてきたときが、ありもしない修行の上限を自分で作り出し自己満足をしている危険があるのだと四弘誓願文をお唱えするたびに感じています。
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