何のために学ぶのか?

今年は蜘蛛の巣が例年よりも多い気がします・・・・
蜘蛛の巣に引っかかると少し嫌な気分になりますが、立派な蜘蛛の巣を見つける「美しいなぁ」と感じてしまいます。
美しい蜘蛛の巣を見ていると、高校時代の物理の先生の話を思い出します。それは、
「いいか、万有引力という言葉で様々な現象を説明したのはニュートンだ! ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を思いついたという話も有名だ!! でも、リンゴが木から落ちるのを初めて見たのは絶対にニュートンではない!!」
という言葉です。 「私達は、何のために勉強をするのか?」 という多くの人が若い頃に感じる疑問に答えたときの言葉です。
昔からリンゴが木から落ちるのを見たことがある人は大勢いた。
でもニュートンはリンゴを見て万有引力に気が付き、他の人は気が付かなかった。
同じ景色を見たのに結果が違う。ニュートンは有名になり、リンゴが木から落ちるの見ただけの人はニュートン程は有名にならなかった・・・
先生はこの現象を「蜘蛛の巣」を利用して説明してくれました。
君たちの周りには人生に必要な多くの情報が、どんどん流れてきます。 でも何もしなければ情報はどんどん流れ去っていきます。
この情報をつかむために必要なのが、心の中にある「蜘蛛の巣」です。 心の中の「蜘蛛の巣」が大きければ大きいほど、蜘蛛の巣に多くの情報が引っかかります。
ニュートンは努力の積み重ねによって、今まで誰も「蜘蛛の巣」を張っていなかった場所に巣を作ることができたからこそ、リンゴが落ちると言う情報から万有引力の考え方を導き出すことができたのです。
「勉強をする・学ぶ」ということは「蜘蛛の巣を広げる」と言うことなのだ! だから君たちは勉強をして学ぶのです!!
と話してくださいました。
このお話は大変印象深く、忘れることができませんでした。
話は少し変わりますが、仏教には 四弘誓願文【しぐせいがんもん】 という短いお経があります。 わずか28文字のお経です。
このお経は仏教徒として常に心に留めておく必要がある4つの誓いの言葉であり、読経の最後に心を込めて合掌しお唱えするお経です。
このお経の中に
法門無量誓願学 【ほうもんむりょうせいがんがく】
という一節があり、
仏様の教えは、数えきれなほど多くありますが、全てを学ぼうとすることを誓います
と訳すことができる言葉です。
「蜘蛛の巣」 の話しと 法門無量誓願学 の考えを合わせると
私達には無限の可能性がある
と言うことができるのではないでしょうか。
何もない空間に自分がいる。 空間は無量【むりょう】つまり量に制限がないほど大きい空間です。 この空間に「仏教を学ぶ」ことによって「蜘蛛の巣」を張ることができる。
努力によって「蜘蛛の巣」を広~い空間に無限に張ることができるのです。
無限の「蜘蛛の巣」を張ることができたならば、その巣で多くの可能性を捉えることができるはずなのです!!
美しい「蜘蛛の巣」を見て、 努力することによって私達には無限の可能性があるという大切なことを思い出しました。
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