お寺は「死」について話しても良い場所・・・・

 以前、30代の女性に



 「 喫茶店などで 死 について話すことはできないけど、お寺だと話すことができる。」




 と言われたことがあります。 この女性は




 「 だから、もっとお寺を開放して 死 について考えたり向き合う場所にしてほしい 」




 と訴えるときに、「死」という問題をお寺以外で話すことに抵抗があると言われたのです。





 500喫茶店151102

 お寺で育ち、一般の方よりも葬儀など人の死に関わる場面を多く見てきた私にとって、



 ”おいしそうなケーキや飲み物を前にして 「死」 について話すことは抵抗がある”



という感覚が分からず返答に困ったことを覚えています・・・





 人は悩んだり苦しんだりしながら成長をしていきます。




 お釈迦様が出家を決意したきっかけは




 四門出遊 【しもんしゅつゆう】




 という名の逸話にもあるように、若かりしお釈迦様が、城の東西南北の四つの門から外に出掛けようとしたときに、それぞれの門の外で老人、病人、死者、修行者に出会い、人生の苦しみを目のあたりにし、出家を決意したと言われています。






 お釈迦様が苦しみを体感したからこそ

 お釈迦様は出家をし、修行をされた

 修行をされたからこそ悟りを得た

 悟りを得たから仏教が誕生した


 



 そして仏教が広がり、多くの方が救われる・・・・・






 苦しみの体験なくして、成長はありません。




 大きな苦しみを体験するからこそ、大きな喜びを得ることができる!




 しかし大きな苦しみを乗り越える力がなければ、大きな喜びを感じる前に 苦しみに押しつぶされてしまいます。





 フルマラソンを完走したい人間が、練習せずに いきなりマラソン大会に参加しても なかなか結果を出すことはできません。



 ある程度の練習を重ねなければ完走することは当然できません。




 それと同様に、お寺など特定の場所でしか「死」について語ることができない雰囲気では、突然に訪れる「死」という苦しみに耐えることのできる心を養うことは難しいのではないでしょうか・・・






 普段から、様々な場所で「死」について考えたり話したりする環境が整っていれば、突然に「死」が訪れたとしても苦しみに耐える準備ができていると言っても良いのではないでしょうか!?





 時と場所をわきまえるという配慮さえすることができれば 「死」 という話題にもっと寛容的になってもよいと私は考えています。





 もちろん、お寺に来ていただければ話しを聞かせていただくことができますが、喫茶店やレストランでも「死」という話題について存分に話していきたいと考えています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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