子供に貰った絵から感じること。 ~雨漏りにはザル!!ってどう言うこと??~

私の娘は東光寺の境内にある保育園に通っています。 基本的には妻が子供の送迎をしてくれていますが、たまには私も送迎をします。
先日、娘の迎えに行くと教室から1人の男の子が出てきました。
そして私に向かって
「あ~、坐禅を教えてくれる先生だ!いつもありがとう!!」
と言いました。 そして、自分が書いて手に持っていた絵を私の前に出して
「 これ あげる! 」
と言うのです。 写真の絵はこのときに彼からいただいた絵です。 この絵をもらったときに、ある 「雨漏りの話」 を思い出しました。
東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺であり、御本山は京都にある 妙心寺【みょうしんじ】 です。
この妙心寺の初代住職は開山無相大師【かいさんむそうだいし】です。
この開山無相大師の有名な逸話の一つが 「雨漏りの話」 です。
当時の妙心寺は雨が降れば、ポタポタと雨漏りをしていたそうです。
ある日、無相大師が雨漏りを見つけ弟子たちに
「お、雨漏りをしているぞ!」
と言うと、一人の弟子が、雨水を受けるためにザルを持って駆けつけたそうです。
無相大師は、その弟子を褒めたそうです。
そして、少し遅れて後から他の弟子が、桶を持ってくると無相大師は、その弟子を厳しく叱ったそうです。
私はこの話を聞いたとき
「???????・・・意味が分からない」
と思いました。 解説を聞くと、この話は
「仏心(良心)は瞬時に現れ、次の瞬間、選り好み(感情)や、ためらい(分別)に流れる」
ということを説き、私たちの心の動きを戒めているそうです。
良いと思ったことは、その瞬間に行うことの大切さを教えているそうです。
この解説を聞いても なんだか腑に落ちないものを感じていました。
しかし、保育園児に絵をもらったときに この 「雨漏りの話」 がストンと心に入ってきた気がしました。
男の子は坐禅体験を楽しんだ
↓
たまたま、私(坐禅の指導をした和尚)を見かけた。
↓
お礼をしたいと思い「ありがとう」と言って、たまたま持っていた絵をプレゼントした。
なんの「こだわり」もない 純粋な感謝の気持ちで手に持っていた絵を相手に贈る。 なかなかできることではありません。
しかし、この純粋な気持ちがあったからこそできる素晴らしい行為であり、「こだわり」や見返りを求める気持ちが無いからこそ、相手を幸せにすることができるのだと感じました。
この絵は私にとって ザルを持って雨漏りに向かった御弟子さんの「こだわり」のない心の大切さを教えてくれる絵になりました。
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