「お布施」の話  その3

今回は


「布施」


という言葉についてお話をさせていただきたいと思います。

※全3回のお話の3回目(最終回)です!!


 先日の

 1回目の話では「布施」という言葉の紹介をさせていただきました。
  ※1話目はこちらをクリックしてご覧ください

 2回目の話では布施という言葉を聞いて思い出す「毎日普回向を唱える家族の話」を紹介させていただきました。
  ※2話目はこちらをクリックしてご覧ください




 今回はこれまでの2回の話をまとめさせていただきます。


 なぜ、「布施」という言葉を聞いて普回向の話を思い出すのか説明させていただきます。




禅語の中に



「放下著 【ほうげじゃく】」




という言葉あります。


布施 板書130910004




 放下とは「捨てる」という意味で、




 放下著は煩悩や妄想だけでなく、仏や悟りにいたるまで、すべての執着を捨て去ってしまえ!!という大変強い言葉です。





 先日紹介させていただいた普回向をお唱えする青年は、まだ自分自身が若いのに早くに親を亡くすという言葉ではとても表現できないほどの辛い経験をしてきました。しかし、短い時間ですが彼と話すことによって、彼がすでに前を向いて日常を過ごしていることを感じることができました。




 これは、亡くなられた彼の親御さんの御指導のたまものであることは言うまでもありませんが、彼がこのように前向きに生きられるのは、毎日



「お経などをお唱えした功徳が、私だけではないすべての人に行き渡って、みんなが幸せになりますように、という思いが込められた祈りの言葉」



 である普回向をお唱えするという時間を持てたことによって、なぜ自分の親は早くに亡くなってしまったのか、親がいてくれれば・・・といった執着の心から離れる時間がわずかでも持てたためだとも思います。






 普回向を紹介した親御さんの知人の方は、残された家族が少しでも元気になれるようにと普回向を紹介し、
残された家族は、亡くなった方の為にと慈しみの心で、毎日お唱えしているのだと思います。



400法話 布施 黒板 図 ブログ用130912



布施で大切なことは


・布施をする人

・その布施を受ける人

・布施の手段となる施物



の3つが清浄でなければいけないと紹介をさせていただきました。
普回向のお話を、この3つに当てはめるとしたら


・布施をする人は普回向を紹介した方であり、

・その布施を受ける人とは残された家族であり、

・布施の手段となる施物とは普回向を示すと思います。





当然この3つが清浄であったために、残された家族が前を見て歩みだすことができたのだと思います。




 この行為は金銭や物のやり取りの無い立派な「無財施」つまり布施であり、様々な煩悩を放下することによって得られた清浄な心を持っていたからこそ行うことができた行為だったと思います。






「布施」はお寺にお金を持って行きなさいという教えでは決してありません。


「お互いが、できることをしながら助け合い、みんなで力になりましょう。」という教えなのです。



 朝起きたときに、家族にニコッと笑顔で「おはよう!」と元気にあいさつすることも立派な布施ですし、執着する心を捨て、すべての相手のことを思いやって接していくことが「布施」の心なのです。



 法事などのお参りも皆様の「布施」の心を大切にするものです。その気持ちを忘れることなく過ごしていただくためにも、お仏壇等の前で手を合わせたときに普回向をお唱えしていただければと思います。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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