合掌の力

合掌130724



 中学校の教員として勤務していた頃、集会などの静かにしなくてはいけない場面でざわざわと無駄話をする生徒を注意することが私の役割でした。


 教員になった1年目から周囲の支えもあって全校生徒の前に立ち、集会を始めるために整列や点呼をする役割を与えていただきました。


 その頃の私には、全体(集会の会場)を静かにする必殺技がありました。それは・・・


 黙ること


 でした。 「静かにしなさい!」と注意することもありましたが、どんなに注意をしても聞く耳を持たない生徒には何も言わず黙ることが効果的でした。普段は口うるさく注意をする教員が全体の前に立ち何も話さいでいる姿は少し異様かもしれません。


 しかし、この異様さが効果的でした。少し時間がかかることもありますが、多くの場合「黙る」という必殺技が効果的に作用していました。





 僧侶となった今、皆様の前に立ち

「静かにしましょう!!」

 なんて話すことはあまりありません。しかし、どうしても注意をしなくてはいけない時がたまにあります。



 それは、葬儀や特別な法要の際に行われる「焼香【しょうこう】」の時です。


 法事よりも長い法要時にたまに起こる現象、それが・・・


 焼香の後のおしゃべり


 です。長い法要に耐えて(!?)きた反動なのかもしれませんが、焼香が終わって席に着くとホッとして隣の方とおしゃべりをしてしまう方がいらっしゃるときがあります。



 もちろん「おしゃべり」をしてはいけない場面です!!



合掌1307242


 我々僧侶はお経を読んでいますので、お経を止めて「静かにしてください」なんて注意はできません。こんな時におしゃべりの声に負けないように大きな声でお経を読むとおしゃべりの声はさらに大きくなってしまいます。


 


 教員の経験から、僧侶側が声を小さくすればおしゃべりが少なくなるかもしれませんが、現実的な解決策ではありません。

 どうしたら良いのか悩んだ時期もありましたが、先日、お手伝いをさせていただいたお寺の和尚様から有力な方法を教えていただきました。


 その和尚様の必殺技は、なんと・・・


 

 「合掌」




 でした。ただ一言、


 「焼香後も合掌をしていただき、御冥福をお祈りください。」


 と伝えたところ、参列者の多くは合掌をされていました。



 合掌をしたままおしゃべりをする人はいません。そのため、会場全体が落ち着いた雰囲気になり素晴らしい法要が参列者によって作り出されていきました。




 「合掌」の持つ力を感じました!!
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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