塔婆【とうば】

 多くの方が見たことはあるけど、何のために存在するのかよく分かっていないものはいくつもあると思います。

 お寺には、「見たことはあるけど・・・なんだろう、これ??」といったものがたくさんあります。


 今回、ご紹介するのは



 塔婆【とうば】

 です。



 学生が「もうすぐ夏休みだ!」とウキウキする頃になると、私の所にある仕事がやってきます。


塔婆130719


 それは、夏に行われる施餓鬼会(せがきえ)に向けて塔婆を書く仕事です。私は塔婆の裏側を書く係となっており、表は住職が書いています。


 テレビやマンガなどで、墓地を怖い場所に見せるための不気味な装飾品として使われてしまうこともある塔婆ですが、しっかりと意味がある大切なものです!!




 塔婆は卒塔婆【そとば】とも言い、インドの言葉「スツーパ」の音に漢字を当てはめたものです。



 塔婆は昔から今のような形をしていたわけではありません。塔婆はあるものが変化し、今の形に変化してきたのです。


 あるものとは・・・・それは、



 お釈迦様のお墓です!!!



 古代インドでは盛り上げた墓または塚を「スツーパ」と言っていましたが、舎利(お釈迦様の遺骨)を納めお参りをするようになり、お墓そのものの形状も変化し、仏教寺院を象徴する三重、五重などの塔になっていきました。


 一方日本では、お釈迦様の遺骨を納める入れ物(舎利瓶)の形をお墓の墓標として一般的に使うようになると、石板・木柱・木板に刻み目をつけただけの墓標や供養塔が作られるようになりました。


 これが塔婆の始まりです!



 つまり、


 お釈迦様のお墓が五重塔や塔婆になったのです。




 では、なぜ塔婆を立てるのか???



 それは、お釈迦様の徳を尊び供養するためにインドでは「スツーパ」を、日本では「五重塔」を建立し供養するのと同様に、

 亡くなられた方の徳を尊び供養のために塔婆を立てているのです。

 もちろん供養するために五重塔を建立しても良いのですが、さすがにそれでは経済的にも大変なので塔婆が一般的に使われているのです。



 たまに、古くなった塔婆をお寺にお持ちになり「ゴミ袋に入れて捨てる訳にいかないので焚き上げ【たきあげ】てください。」とおっしゃる方がいます。



 ・・・五重塔はゴミには出せませんよね!
 

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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