終電を逃した・・・・

寝台電車に初めて乗りました!乗った(乗らなくてはいけない)理由は恥かしいのですが紹介いたします。
先日、兵庫県にある龍門寺(りょうもんじ)というお寺に行ってきました。
実はその帰り道に、私は大きな事件に巻き込まれていたのです・・・・
私は普段、静岡県静岡市にある東光寺というお寺で生活をさせていただいています。龍門寺を訪ねた次の日は東光寺の開山忌(東光寺を造った和尚さんのための大事な法要)だったため、必ずその日のうちに帰らなくてはいけませんでした。龍門寺での集まりは1泊2日の日程で行われる研修会でしたので、早退をすることに決め電車の時間も調べてから兵庫県へと向かいました。
龍門寺の最寄駅は「網干駅」という駅です。私の計画ではこの網干駅を20時05分に発車する電車に乗り「姫路駅」で新幹線に乗り換えて帰宅するはずでした。
20時05分という時間をしっかり頭に入れて行動したため時間に多少の余裕を持って網干駅到着した私は何の迷いもなく姫路行きの電車が来るはずのホームへ向かいました。たまたま同じような時間の電車に乗って帰宅する和尚さん2人とホームで談笑しながら電車を待っていました。
ふと時計を見ると、時計の針は
20時07分
あれ!?遅れてるのかなぁ??
と不安になりましたがホームは静寂につつまれています。
1分、2分と時間が過ぎますが何のアナウンスもありません。そこで、駅員さんに尋ねてみると・・・
「さっき出発しましたよ!」
との回答が。なんと、私の乗ろうとしていた電車は数時間に一本だけ別のホームを使って折り返し運転をする電車だったのです。
電車が来るはずのないホームで待っていたのです。気が付いた時には、時すでに遅く・・・
電車に乗れなかった
↓
新幹線(最終)に間に合わない
↓
その日のうちに帰れない
という方程式が成り立つという悲しい事実だけが突き付けられました。新幹線が何らかのトラブルで遅れているかもしれないと言う、かなり自己中心的な奇跡を信じながら次の電車で姫路駅に向かいましたが、日本の新幹線は時間に正確です。すでに静岡に帰れる最終新幹線は発車していました。
途方にくれながら緑の窓口で相談すると、新幹線で帰るなら名古屋で一泊して始発で帰るしかないとのこと・・・
それしかないなら、名古屋に泊まるかと考え始めたとき、駅員さんが「寝台特急はどうですか。」と声をかけてくれました。
「寝台特急なら朝の5時30分頃に清水に着きますよ!」
とのこと。調べてもらうと席も1つだけ空いているとのことだったので、すぐに切符を購入しました。
予定では数分だった姫路駅での乗り換え時間が約3時間になり、疲労の蓄積もありましたが、人生初の寝台特急にも乗るという体験もできたので忘れられない出来事になりました。
禅語に
識羞【しきしゅう】
という言葉があります。
恥を知ること。羞恥心を持つこと。
という意味があります。自分の失敗で電車に乗り遅れてしまったのに、新幹線が遅れていることを願ってしまうという、あまりに自己中心的な人間に対しても使うことができる言葉です。
失敗をしたとき(ホームを間違え電車に乗れなかったとき)、誰かに助けられたとき(寝台特急の存在を教えてもらい切符がとれたとき)にこそ、
今まさに羞(しゅう:恥、身のちぢまる思い)を知り、つつましやかな心を持ち暮らしていかなくてはいけないと反省いたしました。
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