坐禅手帳の活躍

 東光寺(静岡市清水区横砂)で行った 



      春休み 子供坐禅(座禅)会


 で印象に残った出来事がありました。


坐禅手帳


 東光寺の子供坐禅会では参加者に「坐禅手帳」を配布します。この坐禅手帳には白紙の部分があり、仏教豆知識シールやハンコを押して使用します。


 この坐禅手帳にまつわるお話です。




 ある日の子供坐禅会が始まる前、坐禅会に毎日参加してくれている小学校1年生と3年生の兄弟がいつものように本堂内に入ってきました。いつものように仏教豆知識シールを貼る机の前に来て小学校1年生の弟が「坐禅手帳」を忘れたことに気が付きました。


 残念ながら数分後には坐禅会が始まるので家に取りに帰ることができません。男の子は悲しみのあまり泣き出してしまいました。



 まさか泣き出すとは想像もしていなかった私は慌てて「忘れた人用の坐禅手帳があるから使っていいうよ」と声をかけましたが泣きやみません・・・



 しかも、時間が来てしまい多くの参加者は静かに座布団に座って待っていたため私は坐禅会を始めることにしました。


 泣いている男の子も3年生の姉と一緒に座布団まで移動し座りました。しかし涙は止まりません。そのとき、男の子の姉がそっと自分の服の袖で男の子の涙を拭き、にっこりとほほ笑みながら



「大丈夫だよ、私の手帳を貸してあげる」



 と声をかけました。 なんて優しいお姉さんなんだろうと驚き感心していると、さっきまであんなに泣いていた男の子が嘘のように泣き止み、静かに坐禅を始めたのでさらに驚いてしまいました。




 仏教の言葉に

 

 無財の七施【むざいのしちせ】
 

という言葉があります。

 財産が無くても行うことができる布施行(ふせぎょう:自分の持っている財物その他を深い愛情を持って、見返りを求めない施しをさせていただく事)のことです。


 七施と言うくらいですので7つあります。



1.温かい眼差しで接する

2.優しい笑顔で人に接する

3.心からの優しい言葉をかけていく

4.肉体を使って人のため、社会のために働くこと。無料奉仕

5.「ありがとう」「すみません」などの感謝の言葉を述べる

6.場所や席を譲り合う

7.自分の家を貸し、労をねぎらう





 坐禅手帳を忘れて泣く弟を思いやり自然と涙を拭き声をかけた姉は一瞬にして多くの布施行を行っていたのです。



 一瞬の出来事でしたが、本当に美しい姿を見せていただきました。




 兄弟の美しい姿を見ながら、


 「お、忘れてしまって泣くほど坐禅手帳に人気があってよかった!!」


 などと一瞬でも考えてしまった私はまだまだ修行が足りません・・・・
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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