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涅槃図に描かれた老女と坐禅と最後の教え

2月15日はお釈迦様のご命日です。


そのため、多くのお寺で「涅槃会【ねはんえ】」と呼ばれる法要が行われます。


この法要のときにかけられるのが、お釈迦様がなくなれた際の様子を描いた涅槃図です。





600涅槃図 スマホで撮影4


涅槃図には様々な物語が描かれています。




600涅槃図 スマホで撮影5

この涅槃図をよく見ると一人の老女が必ず描かれています。




600涅槃図 スマホで撮影6


老女はお釈迦様の足元にいて、お釈迦様の足を触っているか触ろうとしている姿が描かれています。


この老女について文献には

百歳にもなる女性。供養の品を持っていないことを悲しみながらも、これからも一心にお釈迦様を拝むことを誓い、涙を流した。涙はお釈迦様の御足を濡らした。


との記述が見られます。


その他にも


老女は若いころからお釈迦様にお会いしたいと考えていたが、すれ違ってばかりでなかなか会うことができなかった。やっと会うことができたときは、お釈迦様が亡くなられた後だった。そのときの様子が涅槃図に描かれている。


という話も聞いたことがあります。





お釈迦様が亡くなる直前に説かれたお経の中には


教えのかなめは心を修めることにある。身を正し、心を正し、ことばをまことあるものにしなければならない。貪ることをやめ、怒りをなくし、悪を遠ざけ、常に無常を忘れてはならない。


この教えの通りに行わない者は、私に会っていながら私に会わず、私と一緒にいながら私から遠く離れている。
また、この教えの通りに行う者は、例え私から遠く離れていても私と一緒にいる。



とあるのです。




老女は直接お釈迦様と会って話をすることができませんでした。


しかし、一心にお釈迦様を拝むことを誓ったのです。


これこそがお釈迦様が望まれていることであり、お釈迦様が説かれた通り


教えの通りに行う者は、例え私から遠く離れていても私と一緒にいる。




ということなのです。


さらに、「一心にお釈迦様を拝むこと」とはお釈迦様の足に触れながら嘆き悲しむことだけではありません。


教えのかなめは心を修めることにある。身を正し、心を正すこと


と説かれているように、心を調えて自分自身に備わったお釈迦様のような尊い心と共に生きていくことなのです。


そのための具体的な方法はすでに多くの方が実践したことがあります。




手を合わせること。

お経をお唱えする。

誰かのため見返りを求めず行動すること。

姿勢を良くして ゆっくり呼吸をすることで 心を調える坐禅。



などなど。


日常の中にこそ大切な実践はあるのです。


しかし、どうしてもそのことを忘れてしまいがちです。


だからこそ、涅槃会のような特別な法要があったときに、普段の自分を振り返ることも大切なのだと思います。


どこかで涅槃図を目にしたときなど、お釈迦様の足元で嘆き悲しむ老女の姿を見て、この老女こそが


お釈迦様に直接会うことはできないが、その教えを大切にしてこれからを生きていく私達自身なのだと感じていただければと願っています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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