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ひよこと禅語

 4歳の娘は動物園が好きです。よく行く動物園は市内にある公立の動物園で、シロクマやアライグマが目玉になっています。もちろん、象やキリンなど様々な動物が元気な姿を見せてくれています。


 しかし、娘はシロクマなどの大型の動物にはあまり興味を示しません。一番のお気に入りは

ひよこ2

 「ひよこ」です。 この動物園には ふれあいコーナー があり、ひよこを抱くことができるのです。動物園に行くたびにひよこを抱いていますので、最近では2歳の妹に抱き方を教えるまでになりました。



 あまり知られていないのですが、かわいらしいひよこも良く見ると「歯」があります。娘に教えると

 「歯があるの!? くちばしのこと!??」


 と、よくわからない様子です。4歳児にはまだ早かったのですが、


 よーく見るとくちばしに何かが付いています。
 ひよこ


 ふ化したばかりのヒヨコの上のくちばしの先端には小さな突起があり、これは卵歯(らんし)と呼ばれています。これが「ヒヨコの歯」なのです。

 ヒヨコはふ化するときに内側から卵の殻を割って出てきます。このときヒヨコはこの卵歯を使って硬い殻を破るのです。卵歯はふ化後数日で取れてなくなってしまうそうです。卵から産まれてこない我々人間からすると実に不思議な仕組みを備えていると感じてしまいます。




 しかし、実はこの卵歯(らんし)の存在は昔から知られていたのです。その証拠が



「啐啄同時(そったくどうじ)」


と言う言葉です。

 鶏の雛が卵から産まれようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。そのとき、すかさず親鳥が外から殻をついばんで破ります。そしてこの行為が同時であってはじめて、殻が破れて雛が産まれるのです。これを「啐啄同時」と言います。

 この啐啄同時という言葉は西暦1100年代つまり約1000年前に編集された中国の仏教書である碧巌録(へきがんろく)に登場する言葉です。つまり1000年以上前からヒヨコが孵化する仕組みは知られていたことに驚いてしまいます。






 啐啄同時(そったくどうじ)」



 親鳥は雛が鳴らすわずかな音を聞き漏らさないように待ち続け

 雛は産まれるために必死に親に知らせる

 
 

 ひよこを優しく抱く娘を見ていると、普段から娘が父親である私に何かを伝えようとしている声に耳を傾けようとしているか不安になり、親鳥のように子供が発する合図を見逃してはいけないと考えさせられるときがあります。




・・・娘は動物園に行くとアイスクリーム屋さんの前やお金を入れて動く遊具の前で立ち止まって私に何かを合図しますが、その合図は気が付かないふりをして帰路につきます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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