オンライン坐禅会での法話【一般向け:仏教聖典 心を清める2 欲をおさえる】

臨済宗青年僧の会ではオンライン坐禅会を実施しています。私も時々ですが坐禅を担当させていただいています。
※オンライン坐禅会のホームページはこちらです。
その際に話した内容を備忘録として記しておこうと考えています。
オンライン坐禅会には一般の方向けの会と子供向けの会があります。今回は一般向けの坐禅会で話したものを紹介させていただきます。
【一般向け:仏教聖典 心を清める2 欲をおさえる】
お釈迦様の教えをまとめた仏教聖典に「心を清める」という項目があります。
そこには「煩悩から離れる五つの方法」が紹介されています。
今回はその2つ目に書かれている「欲を抑える」という部分に注目をしていきたいと思います。
※1つ目に書かれている「正しく見る」についてはこちらの記事をご覧ください。
仏教聖典には煩悩から離れるために
「欲をおさえしずめることによって煩悩をしずめる。 明らかな心によって、 眼 ・耳・鼻・舌・身・意の六つに起こる欲をおさえしずめて、煩悩の起こる根元を断ち切る。」
とあります。さらに、
「眼に見るもの、耳に聞く声、鼻にかぐ香り、舌に味わう味、身に触れる感じ、この五つのものをここちよく好ましく感ずることである。多くの人は、その肉体の好ましさに心ひかれて、これにおぼれ、その結果として起こる災いを見ない。」
とも説いています。
欲望のままに行動することで、欲望に溺れて様々なもの貪ることで、大きな災いが起こることを見ようともしていないことは危険なことだと伝えてくれています。
さらに私達が自分の欲望に振り回されてしまう姿を次のように例えています。
蛇とワニと鳥と犬と狐と猿と、その習性を別にする六種の生きものを捕らえて強いなわで縛り、そのなわを結び合わせて放つとする。
このとき、この六種の生きものは、それぞれの習性に従って、おのおのその住みかに帰ろうとする。このためにお互いに争い、力のまさったものの方へ、引きずられていく。
またもし、この六種の生きものを、それぞれなわで縛り、それを丈夫な大きな柱に縛りつけておくとする。はじめの間は、生きものたちはそれぞれの住みかに帰ろうとするが、ついには力尽き、その柱のかたわらに疲れて横たわる。
これと同じように、もし、人がその心を修め、その心を鍛練しておけば、他の五欲に引かれることはない。もし心が制御されているならば、人びとは、現在においても未来においても幸福を得るであろう。
様々な動物を縛り付けておく柱があれば、煩悩から離れることができるのです。
もちろん、その柱はどこか遠くにあるわけではありません。
その柱こそ、私達1人1人の心なのです。
貪ることをやめて、落ち着いた状態の心がこの例え話の「柱」となるのです。
柱は固ければよいと言ものではありません
固すぎれば、ぽきっと折れてしまいます。柔らかく柔軟な柱であれば、引っ張られても折れることなく、引っ張った相手を引き戻してくれます。
そして、この心こそが坐禅をしている最中の皆様の心です!
この心のまま、欲望に振り回されことなく、静かに過ごすことを、これからも考えて実行していきたいと思います。
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