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生かされた自分にできること


500海191008




2011年3月11日、大きな地震が東北地方を襲ったあの日のあの時間、私は静岡県内の研修施設にいました。



研修会が終わり閉会式の最中に これまで感じたこと無い揺れに驚いたことをよく覚えています。


船に乗っているような錯覚を覚えるような周期の長い揺れが長時間続き、船酔いのような状態になりながら


「ただ事ではない」ということしか分かりませんでした。


研修施設からお寺までは車で1時間程の距離。


閉会式は打ち切られように終わり、私もすぐに車に飛び乗ってお寺に向かいました。


ラジオを聴きながら車を走らせていると衝撃的なニュースが聞こえてきました。


「津波が到達した」


とアナウンスされていた場所は、今自分が走っている道路のすぐ横だったのです。





この時は津波の本当の恐ろしさを知らないため


「いや~、びっくりだ!」


と軽く考えて そのままその道路を走り続けてしまいました・・・




震源から遠く離れていたため津波の高さは低かったものの、自分が判断を間違っていたと、その後繰り返し映像で見ることになった東北地方を襲った津波を見るたびに感じました。





あの日、あの時、あの瞬間に「まずは家に帰ろう」と考えて同じような行動をした人は大勢いたはずです。


そして多くの方が犠牲になりました。


あの時、もっと大きな揺れを感じたら私は研修施設に留まっていただろうか?



あの時の私はどんなに大きく揺れても、揺れが収まれば同じ行動をしたと思います。




私はたまたま無事に家にたどり着くことができただけだったのです。


何が原因で自分は生き残ったのかは分かりません。


しかし、たまたま生き残った私に何ができるのかを考えると臨済宗妙心寺派の教えである生活信条の


生かされている自分を感謝し 報恩の行を積みましょう


を思い出します。


生かしていいただいた このいのちを 無駄にすることなく 多くの恩に報いるように生きていこうと3月11日になると感じます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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