引導法語(いんどうほうご)

毎年10月の末になると写真の掛け軸が飾られます。この掛け軸は東光寺(静岡市清水区横砂)の前住職の妻の葬儀の引導法語です。
導師を務められた和尚様が書いてくださったものを後に表装したものです。10月末が前住職の妻の命日のため、この時期になると飾るようにしています。
葬儀で行われる引導法語は
「導師が、個人の徳をたたえ、漢詩に託して仏さまの世界に導きます。」
と説明させていただいています。
そのため、写真の引導法語をよく読むと亡くなった前住職の妻がどこで産まれ、何処の誰に嫁ぎ、どのような一生を過ごしたかが読み取れます。
「引導法語」と言われても良く分からない方も多いと思いますが、臨済宗の場合「引導法語」のときには最後に大きな声で
「かーーーーーつ(喝)」
と一喝を与えますので、一度見ていただければ忘れることはあまり無いと思います。
引導とは迷っているものに対して仏様の教えを説き、真実の歩みに入れるように導くことを言います。そして、言葉によっては言い表すことができない教えを「かーーつ(喝)」の一声に込めて亡き人に与えているのです。葬儀はとても大切な仏教の法要ですので、葬儀の中でも引導法語を行っているのです。
知っていそうで、あまり知られていない仏教のお話でした!
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