食事五観文(しょくじごかんもん) 4

・・・今回はお粥の話です
お粥 121013
↑↑↑この写真のお粥は寺子屋体験のときの昼食です↑↑↑




 私は以前、大腸の病気で入院をしたことがありました。30歳頃のことです。連日続く腹痛に耐えられなくなり病院へ行きました。すると先生に

 「入院だね。」

と、言われそのまま入院することになりました。入院生活が始まると腸に負担を掛けないようにするため、何も口にすることが許されない絶食が始まりました。必要な栄養は点滴で補うので栄養不足になることはありませんが、体重は日に日に減っていきました。食事はしませんが薬だけは毎日飲み続けました。

 1週間以上、何も食べずに薬だけを飲む生活が続きました。検査の結果や体調が良さそうなので食事の許可が出たのは9日目のことでした。入院中なので食事は当然のことですが病院側が決めたメニューが運ばれてきます。絶食明けの食事は「お粥」でした。久しぶりに暖かい食事を口にしたとき、お粥が喉を通って食道を通過し胃に入っていくことを感じ、胃に入ったお粥のおかげで体がポカポカと温まっていくことが分かりました。

 点滴で栄養が補給されたり、薬で病気が改善していくことは実感できませんでしたが「お粥」を食べたときには体が良い方向へ変化することを感じることができました。





 禅宗では食事の前に唱えられる食事五観文(しょくじごかんもん)というものがあり、その4番目の言葉が

四つには、正に良薬を事とするは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり

です。現代的な言葉で表すと

この食事は、心と体の健康を保つ良薬と心得ていただきます。

と表すことができます。



 普段の食事ではついつい忘れてしまいがちですが、食事の大切さを見事に表した言葉だと思います。毎回の食事で、「絶食明けのお粥」のように食べたものが薬のように体に染み込んでいくことを実感することはできませんが、私は食事の前に食事五観文を唱えることによって、病院で「お粥」を食べたときの感覚を思い出してから食事をいただくようにしています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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