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いますがごとく

ある年の暮れ、1人の女性がお寺にお参りに来てくれた時のことです。



東光寺(静岡市清水区横砂)では年末にお参りに来た方に翌年の色紙とカレンダーを配らせていただいています。



500禅語カレンダー1




このカレンダー、なかなか便利な作りになっています。



大き過ぎず、小さ過ぎず、ちょうど良い大きさ。



500禅語カレンダー3


しかも仏教の言葉が絵と共に描かれていて勉強になる。




500禅語カレンダー2


さらに、書き込む場所もしっかりとあって予定表にもなるものです。




女性はそのカレンダーを受け取ると嬉しそうに私に



「このカレンダーうちの主人が本当に大好きなんです。仏教の言葉が書いてあったりお寺の行事が書いてあったりしていますよね。主人は勉強だといっていつも、楽しそうに見ています。」



と笑顔で言ってくれたのです。



私は、その女性の旦那さんという方がパッと顔が出てこなかったのですが、



「そうですか、それは良かったです。来年も使ってくださいね。」



と答えたのです。すると女性は続けて、




「だから、このカレンダーをいつも仏壇に飾っているんですよ。旦那は亡くなる前、布団の中でもよくこのカレンダーを見ていました。」




その言葉を聞いてハッとしました。もうすでに旦那さんが亡くなっていたのです。


私は申し訳ないのですが旦那さんが亡くなっていることは知りませんでした。


しかし、この女性がまるで旦那さんがまだ生きているかのように話したこと、そして生きていた時と同様にカレンダーを見てもらいたいと仏壇にお供えしていることを聞いたとき、



これが「いますがごとく」というお参りの心なのだと教えられた気がします。



普段から、旦那さんがそこにいるかのように、お供えをして、お参りをする。そして話しかけていたのでしょう。


だからこそ、「このカレンダー好きなんです。楽しそうに見ています」と今もすぐ近くに旦那さんがいるように話してくださったのです。



カレンダーは本来今を生きている女性が使った方がよさそうなものを惜しむ心なくお供えする心も素晴らしいものだと感じました。



この「いますがごとく」の心で生活をしている姿を見たとき、この女性は亡くなった旦那さまやご先祖様と共に今を生きている方なのだと私は感じました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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