苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その7 正念【しょうねん】

 私は物覚えが悪い人間です。




 物覚えが悪いがために学生時代はテストに苦しみました。




 物覚えが悪いがために、今は出会った人の顔と名前を一致させることに苦労しています。




 子供達には




「お父さんは 3歩 歩くと何でも忘れてします」




と怒られことも珍しくありません。




しかし、悪いことだけではありません。




嫌なこと、辛いことがあっても一晩寝れば大概のことは忘れてスッキリとします。




もちろん完全に忘れてしまうわけではありませんが、何かのきっかけがない限り思い出すことなく過ごせるほどに忘れます。




 周囲の人に「気持ちの切り替えが早くてうらやましいと」と言われると、忘れることも悪いことばかりではないなと感じます。






500仏教豆知識シール241 八正道【7】7正念




お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。




これを八正道【はっしょうどう】と言います。




その中の1つに正念【しょうねん】があります。




正しい心の落ち着きを保つことで、悪い心を離れて、正しい道や正しい教えを忘れないことを説く言葉となります。




もしも私のように物覚えが悪い人が「正しい教えを忘れない」と言われると「正念」は実行することが難しい教えのように感じるかもしれません。




しかし、この教えは記憶力の良さを競うような教えではもちろんありません。




心の落ち着きを保つことが大切なのです。




先程、私は「一晩眠れば大概のことは忘れてスッキリする」と自分の姿を紹介しました。これは、




嫌なことがあり心が乱れとしても、一晩眠ることである程度ですが心が落着いてきていることを表しているようにも感じます。




では、寝ているときにしか心を落着けることはできないのでしょうか。




もちろん、そのようなことはありません。




起きているときに、深く眠るほどスッキリすることができるのが坐禅です。




坐禅の呼吸は丹田式【たんでんしき】呼吸とも言われる、お腹を使う呼吸です。




息を吐いたときにはお腹がへこみ、

息を吸えばお腹が膨らむ。





寝ている間に無意識に行っている呼吸です。




しかし、私達は起きている間は特別に意識をしない限り、




息を吸ったときに胸が動く呼吸をしています。




坐禅では意識をして寝ているときのような息をすることで呼吸を調えているのです。




極端は表現をするならば




起きているときに寝るほどに落ち着くことができるのが坐禅であり


落着くことで忘れるのが「悪い心」です。


反対に良い心は「衆生本来仏なり」と表現されるように私達が生まれたときからいただいている既に持っているものですので、心が調えば調うほどに本来の姿をはっきりと感じることができるのです。





つまり、記憶力が良くても、物覚えが悪くても平等に「良い心」を感じるための努力を続けることも正念と説くことができるのではないでしょうか。




 物覚えが悪い私でも努力することができると思うとホッとします。

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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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