お参りを「する」のではなく「させていただく」

 あるお寺をお参りさせていただいたとき、門の近くに一体のお地蔵様がにこやかに微笑みかけてくれていました。





500お参りをするのではなくさせていただくお地蔵様2





笑顔に引き寄せられて近づいてみると、1枚の看板が目に飛び込んできました。






500お参りをするのではなくさせていただくお地蔵様3





お清めタオルは
 受付窓口にあります
1枚100円です
参拝の仕方はタオルの説明書にあります







と書いてあるのです。御住職様に聞くと


「皆様に、お参りをする前にタオルでお地蔵様を拭いて頂いています。」


とのことでした。





 仏教には布施【ふせ】という言葉があります。





自分が持っている「もの」を施し与えることを意味する言葉です。





もちろん「もの」には財産も含まれますが、「もの」は財産だけを示すわけではありません。 




「仏教の教え」や「暖かいまなざし」、「笑顔」、「優しい言葉」など様々な「もの」を施すことを説いています。





「施す」ときに大切なことは「相手のことを思いやる気持ちを持つ」ことです。





そして、何よりも見返りを求めてはいけません。




布施の心は日常の生活でも大切にしていかなくてはなりません。





しかし私達はどうしても、お参りをするときですら




「お賽銭をいれたから、願いをかなえてくれ!」



という ギブ アンド テイク つまり、「見返り」を求めてしまいます。




布施をするときに施す者も,施される者も,そして施物(施すもの)も清らかでなければいけないという原則にも反発をしてしまっているのです。





そのような状態で行うお参りは



お参りを「する」 と表現できるのではないでしょうか。



しかし、大切なのは お参りを「させていただく」という謙虚な気持ちです。




この「させていただく」という気持ちになるために、とても効果的なのが



タオルでお地蔵様を拭く



という実践なのだと感じました。





私達はこれまでの経験上、掃除をすることで自分自身の心が調っていくことを体感しています。




だからこそ、お地蔵様を拭くことによって自分自身の心の汚れを拭き取り、お参りを「させていただく」という気持ちに自然に近づいていくことができるのです。




このお寺ではこれらのことを難しい言葉で説明せずに




「お清めのタオルは 受付窓口にあります」




という短い一言で 多くのことを伝えてくださっているように感じました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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