クラゲと没蹤跡

以前、写経会の際にクラゲの写真と没蹤跡【もっしょうせき】という禅の言葉を組み合わせた絵葉書を作ったことがありました。






640写経会 絵葉書 9 没蹤跡




没蹤跡【もっしょうせき】とは





跡形【あとかた】を残さない様子。または、足跡を残さない生き方





と、紹介されることが多くあります。





ですから、決して波を立てることなく静かに海を泳ぐクラゲの姿が没蹤跡を表現できるのではないかと考え絵葉書を作りました。





その後、「残さない」とはどういうことなのか自分なりに考えてみました。





「過去にこだわらす、未来にもこだわらない、「今」に没頭できること」




と捉ええることができると思いました。





ですから没蹤跡は、


今を懸命に生きることで「過去や未来と言った時間的なこだわりまでも捨ててしまえ!」


と語りかけているように感じます。







そんなことを考えているときに、私はさらに驚くべき事実を知ることになります・・・





それは、クラゲには心臓も血液も、そして脳も無いということです。





脳が無くても食事を見つけて食べることができる。


心臓も血液も無くても生命を維持できるのです。





その事実を知ったとき、なぜ人はクラゲの姿に「美しさ」を感じるのかが理解できた気がします。





なんのはからいも無く、生きている姿を見て我々は「美しい」と感じているのではないでしょうか。






そして、その計らいの無い姿を文字で表現した言葉が「没蹤跡」なのだと思います。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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