中学生の口癖「なんで俺だけ!」

お彼岸と関係の深い六波羅蜜(ろくはらみつ)特集をしています!今回は六波羅蜜の1つ

「忍辱(にんにく)とは」


 苦しみを乗り越える力を養うことを「忍辱」と言います。

どのように、養うのでしょう。妙心寺で販売している「花園Q&A」という冊子には

この世は、四苦八苦の世界であり、その中で生活している事実を認めることを「忍辱」という。

と書いてあります。




ちなみに四苦八苦の四苦(しく)は、

いかなる人も避けられない生・老・病・死のことであり、


四苦八苦 四苦


八苦(はっく)は、四苦に


愛別離苦(あいべつりく:愛するものとの別れ)
怨憎会苦(おんぞうえく:嫌いな人に出会う)
求不得苦(ぐふとくく: 求める物が得られない)
五蘊盛苦(ごうんじょうく:あらゆる精神的な苦しみ)

を加えたものです。


四苦八苦 八苦







四苦八苦があることを認めること、つまり「忍辱」は、思いのほか難しいことです。




お釈迦様が生きていた頃のお話に、このような逸話があります。



死んでしまった我が子を抱えて悲しむ母親がお釈迦様に聞きました。

「この子を生き返らせるにはどうしたらいいのでしょうか?」

お釈迦様は答えました。

「今までひとりも死人の出たことのない家を探しなさい。そしてその家のかまどのすすを与えれば生き返るでしょう。」

母親は国中を必死になって死人の出たことのない家を探しました。しかし、そんな家は1軒も見つかりませんでした。死人が出ていない家を探すうち、母親は死からは誰も逃れることはできないという事実を認め、我が子の死を受け入れたと言います。



この話を聞くたび、話すたびに中学校の教員をしていた頃の中学生の口癖を思い出します。
それは、授業中に無駄話をしている生徒を注意すると

「なんで俺だけ(注意するの)!?他にもしゃべってるヤツいるじゃん!!」

と言う生徒が少なからずいました。それに対して

「ほー、誰がいるんだ。具体的言ってごらん。」

と返すと、だいたい黙ってうつむいてしまいます。認めなくてはいけないことなのに、つい抵抗してしまっているのでしょう。しかし、

 自分にとって認めることが辛かったとしても、認めることで大きく成長することができる場合もあります。この中学生の場合は黙って授業に集中することによって知識と言う財産を手に入れることができるのです。

 同様に、誰も四苦八苦からは逃げることができないことを認めることで、自分だけが苦しいのではなく、誰にでも苦しみがあることを実感し、人生において困難にぶつかったときに、その困難を乗り越える力を養うことができるのです。




忍辱(忍耐)
  みんなで辛抱しあいましょう。





関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる