人として守るべき約束
お彼岸と関係の深い六波羅蜜(ろくはらみつ)特集をしています!今回は六波羅蜜の1つ
「持戒とは」
持戒とは「戒」を守ることです。「戒」とは
「 人として生きていくうえで守らなければならない約束」
のことです。

以前、僧侶になりたての頃にタクシーに乗り、こんな会話を運転手さんとしたことが忘れられません。
その日は檀家様が亡くなり、その通夜へ向かっていました。亡くなった方が地元を離れ遠方で生活をされていたため、電車とタクシーでの移動が必要な葬儀会館での通夜となりました。当然、僧侶として衣を着て移動していますしタクシーの運転手さんに
「○○会館までお願いします。」
とお願いをしましたので運転手さんは私が僧侶だとわかり話しかけてくれました。
「和尚さん、これからお通夜ですか?私はお通夜とかお葬式に出ることがあっても、何をしているのか分からないから眠くなっちゃうんだよ。これっていけない事かな!?」
運転手さんに声をかけられ、私は
「そうですよね、何をやっているか分からないと眠くなっちゃいますよね。」
と返しました。会館までは少し時間がかかるようで、運転手さんにさらに
「お葬式って何をやってるの?」
と聞かれ、私は
「葬儀の重要な部分は授戒会(じゅかいえ)です。授戒とは仏さまの弟子になるための儀式で、様々な約束事を守ることを誓う儀式なんです。もちろん生きている間に受けるのが理想的なんですけどね。」
と答えました。すると運転手さんは興味を持ってくれたようで
「どんな約束があるの?」
と聞いてくれました。私は
「仏教には、殺さない・盗まない・人としての道をはずれない・嘘を言わない・酒に飲まれないという五戒(ごかい)がありまして、これを守ることを誓いますよ。とっても大切なことなので生きている間に授戒を受けて戒を守ることを誓う方もいらっしゃいますよ。」
とお話しをさせていただきました。すると運転手さんから
「うーん、俺は死んでからでいいや、生きているうちに誓ったらウソになっちゃうもんね。俺は殺しとかはしないだろうけど、酒にのまれることもあるし、ついつい嘘も言っちゃうんだよ。死んじゃえば悪いことしないから誓えるよ。やっぱり俺は死んだ後に授戒ってやつを受けてみるよ!」
と言われてしまいました。しかも、ちょうど通夜の会場である会館に到着してしまいこれ以上会話をすることができませんでした。
なぜ、この会話が忘れられないのか。それは、私の説明不足によって運転手さんに五戒を守ることが難しいことだと思わせてしまったことです。あと一言だけ付け加えれば、もっと柔らかく五戒を伝えることができたはずでした。そんな魔法の言葉が
「できるだけ」
という言葉です。
五戒とは
一、不殺生戒(ふせっしょうかい)
二、不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
三、不邪婬戒(ふじゃいんかい)
四、不妄語戒(ふもうごかい)
五、不飲酒戒(ふおんじゅかい)
という5つの戒のことですが、これを「できるだけ」とい魔法の言葉を使って現代的な言葉にしると
できるだけ 生き物を殺しません
できるだけ 盗みません
できるだけ 邪(よこしま)な行いをしません
できるだけ うそをつきません
できるだけ 酒に呑まれません
※「邪:よこしま」とは、「正しくないこと。道にはずれていること。」を言います。
と書くことができます。なんだか、表現が柔らかくなりますよね。
この五戒は仏教徒として最低限の決まりで、仏前結婚式や葬儀でも誓う大切なものなのです。私自身も分かってはいるのですが、なかなか普段の生活では意識することができていません。せっかくなので、お彼岸の期間に思い出し、できるだけ忘れずに生活していきたいと思います。
仏前結婚式や葬儀での五戒についてはこちらをごらんください。
「持戒とは」
持戒とは「戒」を守ることです。「戒」とは
「 人として生きていくうえで守らなければならない約束」
のことです。

以前、僧侶になりたての頃にタクシーに乗り、こんな会話を運転手さんとしたことが忘れられません。
その日は檀家様が亡くなり、その通夜へ向かっていました。亡くなった方が地元を離れ遠方で生活をされていたため、電車とタクシーでの移動が必要な葬儀会館での通夜となりました。当然、僧侶として衣を着て移動していますしタクシーの運転手さんに
「○○会館までお願いします。」
とお願いをしましたので運転手さんは私が僧侶だとわかり話しかけてくれました。
「和尚さん、これからお通夜ですか?私はお通夜とかお葬式に出ることがあっても、何をしているのか分からないから眠くなっちゃうんだよ。これっていけない事かな!?」
運転手さんに声をかけられ、私は
「そうですよね、何をやっているか分からないと眠くなっちゃいますよね。」
と返しました。会館までは少し時間がかかるようで、運転手さんにさらに
「お葬式って何をやってるの?」
と聞かれ、私は
「葬儀の重要な部分は授戒会(じゅかいえ)です。授戒とは仏さまの弟子になるための儀式で、様々な約束事を守ることを誓う儀式なんです。もちろん生きている間に受けるのが理想的なんですけどね。」
と答えました。すると運転手さんは興味を持ってくれたようで
「どんな約束があるの?」
と聞いてくれました。私は
「仏教には、殺さない・盗まない・人としての道をはずれない・嘘を言わない・酒に飲まれないという五戒(ごかい)がありまして、これを守ることを誓いますよ。とっても大切なことなので生きている間に授戒を受けて戒を守ることを誓う方もいらっしゃいますよ。」
とお話しをさせていただきました。すると運転手さんから
「うーん、俺は死んでからでいいや、生きているうちに誓ったらウソになっちゃうもんね。俺は殺しとかはしないだろうけど、酒にのまれることもあるし、ついつい嘘も言っちゃうんだよ。死んじゃえば悪いことしないから誓えるよ。やっぱり俺は死んだ後に授戒ってやつを受けてみるよ!」
と言われてしまいました。しかも、ちょうど通夜の会場である会館に到着してしまいこれ以上会話をすることができませんでした。
なぜ、この会話が忘れられないのか。それは、私の説明不足によって運転手さんに五戒を守ることが難しいことだと思わせてしまったことです。あと一言だけ付け加えれば、もっと柔らかく五戒を伝えることができたはずでした。そんな魔法の言葉が
「できるだけ」
という言葉です。
五戒とは
一、不殺生戒(ふせっしょうかい)
二、不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
三、不邪婬戒(ふじゃいんかい)
四、不妄語戒(ふもうごかい)
五、不飲酒戒(ふおんじゅかい)
という5つの戒のことですが、これを「できるだけ」とい魔法の言葉を使って現代的な言葉にしると
できるだけ 生き物を殺しません
できるだけ 盗みません
できるだけ 邪(よこしま)な行いをしません
できるだけ うそをつきません
できるだけ 酒に呑まれません
※「邪:よこしま」とは、「正しくないこと。道にはずれていること。」を言います。
と書くことができます。なんだか、表現が柔らかくなりますよね。
この五戒は仏教徒として最低限の決まりで、仏前結婚式や葬儀でも誓う大切なものなのです。私自身も分かってはいるのですが、なかなか普段の生活では意識することができていません。せっかくなので、お彼岸の期間に思い出し、できるだけ忘れずに生活していきたいと思います。
仏前結婚式や葬儀での五戒についてはこちらをごらんください。
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