罰を楽しむ方法!!

障子に穴が開いています・・・・
坐禅体験に来た保育園児は坐禅の休憩中にふざけていて開けてしまいました・・・・
穴を開けた瞬間を私は目撃しました。穴を開けた男の子はすぐに
「僕はこれを直せません。ごめんなさい。」
と謝りました。私は悩みました。年中組の園児だし、すぐに謝罪したのだから許そうか、それとも叱るのか・・・
私は彼のこれまでの行動も考え、引率してくださっている担任の先生の了解を得て坐禅体験終了後に彼に罰を与えることにしました。
坐禅体験が終わり、障子に穴を開けてしまった園児だけを残し
・君が障子に開けてしまったので、和尚さんは障子を修理しなくてはいけません。
・和尚さんが障子を修理するのに10分ほどかかります。
・和尚さんは10分でみんなが坐禅をした座布団が片づけることができます。
→ 君がみんなの座布団を片づけてください。
と話をしました。障子に穴を開けてしまった男の子はしょんぼりとしながら「うん」とうなずいて作業を始めました。
作業を始めた男の子は一生懸命座布団を片づけます。5歳の彼には重たいであろう座布団を次々に運びます。そして、あっという間に片付けは終了しました。
片付け終わった彼に
「今日、なんで座布団の片づけをしたかわかるかい?」
と質問をしました。
「ふざけていて障子に穴を開けてしまったからです。」
との回答を期待していた私に彼は驚くべき返事をしました。
「楽しいからです!!」
たしかに彼は作業中もニコニコしていました。どうやら本気の答えのようです・・・ 私は
「そっか、お疲れ様でした!」
と答えるのがやっとでした。
仏教の言葉に三昧【さんまい・ざんまい】という言葉があります。辞書で意味を調べると
心を一つの対象に集中して動揺しない状態。雑念を去り没入することによって、対象が正しくとらえられること。
と書いてあります。彼は罰として座布団の片づけをするように言われたのですが、一生懸命取り組むことにより
片付け三昧
の境地に入ったのでしょう。だからこそ「罰」だったはずの片付けが「楽しいこと」になったのです。
勉強になりました・・・・