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大般若シリーズ【12】 大般若では何を願っているの?? ~回向編 その3~

500富士山180203

先日、「YOUは何しに日本へ?」という番組を見ました。


空港で訪日外国人に声をかけて、日本にやって来た目的を訪ね、その後密着をするという番組です。


この番組で紹介されていた1人の女性の訪日理由が大変興味深い物でした。


アメリカからやって来た女性は日本の大学に短期留学でやってきました。


番組が密着をしたのは富士山と樹海を訪ねた日でした。


女性が日本にやって来たのは「日本人は生と死を分けない考えを持っている」ということを知って日本に興味を持ちやってきたのです。


そして、富士山を見に行くとき神主が行う宿泊施設である御師の家【おしのいえ】に宿泊をしました。


ここで女性は自分の体験を神主さんに話します。


女性は祖母に育てられたこと。

大好きだった祖母は自分が20歳の時に亡くなったこと。

そして、祖母が亡くなったが近くで見守ってくれている気持ちになったこと。

しかし、友人に話すと気味が悪いと言われたことを話したのです。

アメリカでは生と死を分けて考える。死んだ人がいたらゴーストとして恐れるそうです。



神主さんは女性の話しを聞いて、祖母が亡くなったが近くで見守ってくれている気持ちなったことに疑問を感じることなく共感をしました。その姿に女性は感動したのです。





亡くなった人に見守られている。という感覚は日本では誰に教えられるということなく、様々な習慣を体験することで自然と身に付いてくる感覚だと思います。


この感覚を求めて日本にやってくる人がいることを知って、改めて大切な習慣をいただいていることを実感いたしました。





東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。

※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。



以前、大般若祈祷会でお唱えする回向について紹介をさせていただきました。
※大般若では何を願っているの?? ~回向編 その1~ はこちらをご覧ください。
※大般若では何を願っているの?? ~回向編 その2~ はこちらをご覧ください。



回向【えこう】とは法要の功徳(善い行い)が自分の為だけではなく、全ての人達の為になりますようにと最後に祈るものです。



この大般若祈祷会に参加したことがある方の中には回向が他の法要比べると長く感じる人もいるかもしれません。


長く感じない場合は、いつもより早口に感じるかもしれません。


それは、他の法要に比べると「ある部分が丁寧」だからです。


ある部分とは法要を見守ってくださる仏様・神様のお名前です。


大般若祈祷会の回向では法要を見守ってくださるありとあらゆる仏様・神様のお名前をお唱えするのです。



そのため、いつも通りの速さでお唱えすれば時間は長くなり、いつも通りの時間に納めようとすると自然と早口になってしまうのです。



500回向練習中

未熟者の私は途中で噛んでしまうのではないかと不安になり、直前まで練習をしています。

その姿が面白いのが今年はカメラマンの娘が写真を撮っていました。

・・・私は気がついていませんでしたが・・・





「そんなに長いなら、みんなまとめてしまえばいいのではないか?」と感じるかもしれません。



しかし、私は丁寧に多くの仏様・神様の名前をお唱えすることには大きな意味があるように感じています。




臨済宗妙心寺派の生活信条に


生かされている自分を感謝し、報恩の行を積みましょう


とあります。



大切なことなのについ忘れてしまうのが、私達は関係が濃い薄いに関係なくありとあらゆる周囲の方々に支えられ生かされているということです。



私は1年に1度、ありとあらゆる仏様・神様のお名前をお唱えすることで、自分自身が周囲の方々に支えられていることに思い起こし感謝する機会になっていると感じています。




大般若祈祷会でお参りをされる際には法要の最後にお唱えする回向の中でも後半部分の、ありとあらゆる仏様・神様のお名前に耳を傾ていただければと願っています。

大般若シリーズ【11】 大般若では何を願っているの?? ~回向編 その2~

携帯電話やスマートフォンをメモ用紙代わりに活用する前は、「手」がメモ用紙でした。




500手のメモ1
手のひらにメモをするとすぐに消えてしまうため役には立たず、




500手のメモ2

手の甲に書くと消えにくいため忘れることが少なくなった気がします。




東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。


※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。




以前、大般若祈祷会では


「全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る」と言うけれど、具体的にはどんなことを願っているの?」
と聞かれたとき、

私は「法要の功徳(善い行い)が自分の為だけではなく、全ての人達の為になりますようにと最後に祈る回向【えこう】」を紹介します。




という記事を書きました。
※大般若では何を願っているの?? ~回向編~ はこちらをご覧ください。




その中で

天下安全、戦争も起こらず、寺は静かに、皆心安らかに過ごし、火事や強盗なども無くなり、田園は豊かに稔り
檀信徒は仏教の教えを学び、様々な縁に恵まれ、全ての願いが叶うことを願っているのです。



と紹介をしましたが、実はこの言葉には続きがあります。




様々な法要に参列したことがある方で、回向を耳にしたことがある方は聞き覚えのある言葉かもしれませんが、




上は四恩に報い、
【かみは しおんに むくい】

下は三有を資け、
【しもは さんぬを たすけ】

法界の群生は同じく種智を円かにせんことを
【ほっかいの ぐんじょうは おなじく しゅちを まどかにせんことを】





と言う言葉です。




多くの回向の最後の部分に出てきますので、大般若祈祷会以外の法要でも聞いたことがあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。



上は父母・衆生・国王・三宝の四つのご恩に報いることができ、


下は欲界 ・ 色界・無色界という三つの世界に生きとし生ける全てのものを助けて、


全世界のあらゆる生きものが、皆等しく持っている仏様と同じ尊い心の種が円かに開けますように


と祈っているのです。




ですから、天下が安全で、戦争も起こらない、全ての願いが叶うことを願うのならば、



「私は、全てのものを助けることを誓い、これまでいただいた多くの恩に応える生き方をしていきます。」


といっているのです。



正直を言ってこのような生き方を常に実践できる人は多くはありません。



もちろん、私にはできません・・・



しかし、法要に参加したとき、その瞬間だけでも「全てのものを助け、恩に応える生き方をしていこう」と心に誓うことが大切なのだと思います。



スポーツ選手が目標を書いた紙を常に見えるとことに掲示することで、目標を意識し続けて結果を出すことは有名な話です。



勉強を必死にして目標の学校へ進学した人が「目標を見えるところに貼っておいたからこそがんばれた」という話もよく聞きます。



私は、何となく生活をしていると、どうしても「どのように生きていったら良いのか」を忘れてしまいます。



だからこそ、手を合わせてお参りをしたときに



上は四恩に報い、下は三有を資ける



という言葉を聞き、



全てのものを助け、恩に応える生き方をする



という生き方を思い出すことが有難いことだと感じています。

大般若シリーズ【10】 大般若では何を願っているの?? ~回向編~

「夢は語ると 夢は叶う」


という言葉を聞いたことがあります。


なぜ、夢を語ると夢が叶うのかと言いますと、


夢を語る

多くの人に語ることで、自分の意志が固まり具体的な目標になる。

目標に向けて具体的な課題設定がしやすくなる。

課題に取り組み、少しずつ課題を克服することで目標が達成され、夢が叶う。

といった流れだと聞いたことがあります。





東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。


※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。


500大般若祈祷会回向



「全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る」と言うけれど、具体的にはどんなことを願っているの?



と聞かれたとき、私は「回向【えこう】」を紹介します。




回向とは、読経など様々な功徳(善い行い)が自分の為だけではなく、全ての人達の為になりますように祈ることで、大般若祈祷会では「祈祷回向」を唱えます。




この中に




天下安全、干戈起こらざらんことを
【てんかあんぜん、かんか おこらざらんことを】

山門の鎮静
【さんもんの ちんじょう】

中外咸安らかに
【ちゅうがいみなやすらかに】

火盗は潜に消え
【かとうは ひそやかに きえ】

諸荘の田園、意の如く豊かに稔り
【しょそうのでんえん、いのごとく ゆたかに みのり】

檀信は帰崇し
【だんしんは きすうし】

諸縁は吉利となり
【しょえんは きちりとなり】

一切の願望 皆悉円成し
【いっさいのがんぼう、すべてえんじょうし】





とあるのです。




つまり、



天下安全、戦争も起こらず、寺は静かに、皆心安らかに過ごし、火事や強盗なども無くなり、田園は豊かに稔り檀信徒は仏教の教えを学び、様々な縁に恵まれ、全ての願いが叶うことを願っているのです。




「もしも、こんなことが可能なら世界は平和になるかもしれない。でも実際にはこんなこと無理だ!」



と感じるかもしれません。



「夢物語だ!」



と言う方もいらっしゃるかもしれません。




しかし、願うことで



「今、自分達はどのような世界を目指すのか」ということがハッキリとするのではないでしょうか。



願いがハッキリとすれば、その願いを叶えるために知らず知らずのうちに自分たちの生活が変わってくることこそが、天下安全の第1歩となるのだと信じています。

大般若シリーズ【9】 大般若のお札には何が書いてあるの?? ~お札編~

知っているようで、知らないこと。 見ているようで、見ていないこと。


意外と多いものです・・・


私も僧侶になってから金閣寺が3階建てだと知って驚きました!


写真では何度も見ているし、修学旅行でも訪れて見ている。


でも、分からなかった。


言われてみると、すぐに分かりました!


見ているようで、見ていないと実感をしました。




5000大般若札160109002




東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。


※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。






東光寺の行事でお参りをした方がお札を受け取るのは大般若祈祷会だけです。



実はこのお札には大般若祈祷会で皆様と願ったことがギュッと凝縮されて書かれているのです。



500大般若札
お札を再現したものがこちらです。




4つの言葉があります。

天下泰平

五穀豊穣

佛日増輝 

諸縁吉利






争い事や揉め事が起こらず安定した日々を過ごすこと願う、天下泰平

農作物が豊作になることを願う、五穀豊穣

仏の光(仏教の教え)の輝きが増すことを願う、佛日増輝 

様々な縁に恵まれることを願う、諸縁吉利






を願い、皆様と共にお参りしたことをこのお札は私達に教えてくれています。



この般若札について、



「この御札は仏壇に入れるのですか?どこに祀るのが良いのですか?」



と聞かれます。



般若札は玄関に貼っていただいています。


5000大般若札160109001




 お寺での法要・行事は1つ1つが「仏道修行」です。 僧侶が修行をしているのではなく、法要・行事に参加してくださっている皆様方が修行をされているのです。



 もちろん、大般若祈祷会も「仏道修行」です。



 玄関から出入りをする際に般若札を見て仏教のことお寺のことを思い出していただきたいのです。



 そして、様々な「仏道修行」がありますが、その日・その時に行うことができる「仏道修行」を実践していただくことが、一緒に御参りしていただいた大般若祈祷会を生活に活かしていくことだと思います!!!

大般若シリーズ【8】 和尚さんがパラパラしているときに、私は何をしていればいいの??

私は臨済宗の僧侶です。



臨済宗の葬儀には多く出頭をしたり参列をしたことがあります。



縁あって、他の宗派の葬儀に参列したこともありますが、唱えるお経が異なることが多いためため戸惑うことは珍しくありません。



そんな時、経本を配っていただいて



「○○ページのこのお経を一緒にお唱え下さい」



と言われるとお経を安心してお唱えすることができます。



逆に初めて聞くお経を唱えられると、全くついて行くことができず残念に感じたりします。


500大般若みんなは何しているの


東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。

※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。




先日から、大般若祈祷会【だいはんにゃきとうえ】の法要でお経の本をパラパラとめくる、転読【てんどく】というものがあることを紹介させていただいています。
※以前の記事
転読 その1「叫んで パラパラして また叫ぶ! すごい迫力だったね!!」
 




500大般若180107木魚



東光寺の大般若祈祷会では皆様とお経の本を配らさせていただき、般若心経を一緒にお唱えしていただきます。



そして、転読が始まります。



一般の方から「このとき何をしたらいいのでしょうか???」と聞かれることがあります。



お経ならば経本を見ながら一緒にお唱えすることができます。



しかし、転読を一緒にするわけにはいきません・・・





私は個人的に



「僧侶が転読をしている際に、皆様は配布してある般若心経の最後の部分の羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提薩婆訶 【ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか】を心の中でお唱え下さい。」



と話をしています。




転読中(経本をパラパラとしている)の僧侶は



「叫んで パラパラして また叫ぶ!」



をしていると思われています。



しかし、実際には法要の行い方を詳しく書いた書物に、転読について



「・・・(略)・・・扇を啓く【ひらく】ように転読する。その際、後に記すような陀羅尼【だらに】を暗誦【あんじゅ】する」




と書いてあるのです。



難しい言葉が出てきてしまいましたが、


暗誦【あんじゅ】とは暗記したことを口に出して 唱えることであり、


陀羅尼【だらに】とは、仏教の言葉であり、仏教語辞典には
仏教で用いる呪文の一種で,本来,修行者が心の散乱を防いで集中し,教法や教理を記憶し保持するために用いた呪文。



と書いてあります。



つまり、パラパラとしているときに、大切な言葉を唱えているのです。



その言葉にはいくつか種類があるのですが、一番身近なのが般若心経の最後の部分でもある



羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提薩婆訶 【ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか】



なのです。




この大切な言葉は僧侶以外が唱えてはいけないということはありません。



どなたでも唱えていただくことができます。



僧侶の転読が始まったときにはぜひ一緒に



羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦菩提薩婆訶 



とお唱えしていただければと考えています!
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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