心を調えるって何??


東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。



臨済宗妙心寺派の生活信条に

1日1度は静かに坐って 身と呼吸と心を調えましょう

とあります。





私も法話(仏教の話し)をするときに、「調った心」や「心が調います」といった言葉を使います。




すると、原稿を読んだり話しを聞いた妻から




「よく、心を調えるというけれど、いまいちつかみどころがないよね。」




と言われてしまいます。





確かに目で見たり、数値として出すことができないので、分かりにくい表現かもしれません。





では「心が調う」とはどういう状態なのでしょうか!?





私は坐禅体験に来る保育園の園児には「和合【わごう】」の話しをするときに、



「パーの手はきれいな心、グーは少し疲れた心」



と話しています。



子供に話すときに「調う」という言葉を使っても理解はできませんので「きれいな心」と紹介しています。




みんなで手をつなぎたい(和合)と考えたとき、




手をパーにすれば、手をつなぐことができます。

500手をつなぐ170307





しかし、手をグーにすると手をつなぐことができません。

500手をつなぐ1703072






知らず知らずのうちにグーになってしまった手を広げるのがお参りなどお寺での行事です。




お参りをするとき、閉じた手を開きます。




そして、自分が手を開けば周囲の人と手をつなぐことができるのです。




こういった内容の話しを園児にすると、彼らは喜んで周囲の子供達同士で手をつないで話しを聞いてくれています。




「心が調う」という状態を体感してくれていると信じています。

苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その8 正定【しょうじょう】

500自転車の練習




娘が自転車の練習をしています。



本人なりに一生懸命練習しているようです。



その姿を見ていると30年ほど前に自分も自転車に乗れるようになった時のことを思い出します。



転ばずに進むことができるようになった瞬間の感動と手ごたえなどを思い出しました・・・・







500仏教豆知識シール242 八正道【8】8正定




お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。




これを八正道【はっしょうどう】と言います。




その中の1つに正定【しょうじょう】があります。




正しい精神統一をすること。そして、精神を集中することで安定して迷いのない清浄な境地に入ること。




を意味します。





「正しい精神統一」を正確にお伝えしようとすると、大変難しい話になってしまいますので、今回は「正定」を正しい坐禅と考えてみました。






娘が自転車の練習をしている姿を見て、子供の頃に練習した自転車と坐禅には共通する部分があるように感じました。





自転車に乗りたいと感じたら


1.自転車を用意して、まずは乗ってみる

2.練習を重ねることで乗れるようになる。

3.自転車に乗りこなして、どんな場所にでも行けるようになる。




と段階を踏んでいくことができます。






坐禅も同じです。



坐禅をしたいと感じたら、

1.とりあえずやってみる。坐ってみる。

2.できるようになる。坐禅をすることで心を調えることができるようになる。

3.使いこなせるようになる。坐っているときだけでなく、ありとあらゆる場所で心を調えることができるようになる。





と段階を踏んでいくことができます。






臨済宗妙心寺派の生活信条に



1日1度は静かに坐って 身と呼吸と心を調えましょう



とあるように、




坐禅は「姿勢」と正し、「呼吸」を正すことで、心を正していきます。





順番を付けるとするならば・・・

1.姿勢を正す

2.呼吸を正す

3.心を正す





となります。




「姿勢を正す」こととは、坐る姿勢を調え、背筋を伸ばす、足を組み、手の形などを調えることを言います。

「呼吸を正す」こととは、数息観【すうそくかん または すそくかん】という呼吸法で自らの呼吸を調えることを言います。

そして「心」は自分自身の中にある尊い心を実感することです。






自転車に乗りこなせれば、これまでに行くことができなかった場所へ行くことができるようになるなど、大きく活動範囲が変わります。





同様に「正しい坐禅」をすることができれば、日常生活も調った心で過ごすことができるようになります。






しかし、自転車を用意したからと言ってすぐに乗りこなすことができるようになるわけではありません。





坐禅も同じです。



坐り方の知識を身につけても実践は別物です。



自転車に練習が必要なのと同様に坐禅にも多くの練習が必要です。



その練習の場の1つが、様々な坐禅会なのです。



坐禅会は東光寺(静岡市清水区横砂)だけでなく、様々な寺院で行われていますので機会がありましたら、是非「正定」の第1歩として御参加いただければと思います。

光りは何個ありますか? 【自灯明】


500仏教豆知識 自灯明

「和尚さん、この絵にはロウソクが5つあるね!」




保育園児が発した、とてもうれしい一言でした。




絵を見るとロウソクは4本です。




でも、「5つ」と言ってもらえるとうれしいのです!!







東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児は毎月お寺に坐禅体験にやってきます。





坐禅を体験した後、お参りをして、話しを聞いて、お茶を飲んで教室に戻ります。





今月は自灯明【じとうみょう】の話しをしました。





500坐禅体験170119





これからお参りをしようとする園児にクイズを出しました。





「今からみんなは1人ずつお参りをします。お参りをしたら、ここに何個の光があるか数えて見てください!」





園児が見える範囲にはロウソクが2本だけ灯っています。ですから、園児は





「2本!」とか「2つ!!」と元気に答えます。





そこで、私は





「答えは3つです!」





と言います。当然、園児はキョトンとしています。そこで、





「お釈迦様は、自灯明といってみんなの心の中にきれいな光があると教えてくれました。


みんなは部屋が急に真っ暗になったら怖いよね。そんな時にロウソクの光があったら安心できるよね。


光があれば周りも見えるし安心するよね。真っ暗部屋の中にある光のように、私達の心にもきれいな光があるんだよ。その光を大切にしていきましょう!


とお釈迦様は2500年も前に教えてくれているのです。」






と言うと、園児たちは納得してくれたような顔をします。





自灯明は本来、



「自らを灯火とし、自らをよりどころとせよ、他を頼りとしてはならない。」



といった意味があります。





園児に話をした後に、伝えたかった本来の意味が園児に伝わっているのか心配になったときに聞こえてきたのが




「和尚さん、この絵にはロウソクが5つあるね!」




という言葉でした。





4本のろうそくだけでなく、横たわっているお釈迦様の心の灯火まで数えてくれたのです!





「5つある!」と言ってくれた園児の数え間違いでないと信じていますので、とってもうれしい言葉でした。

苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その7 正念【しょうねん】

 私は物覚えが悪い人間です。




 物覚えが悪いがために学生時代はテストに苦しみました。




 物覚えが悪いがために、今は出会った人の顔と名前を一致させることに苦労しています。




 子供達には




「お父さんは 3歩 歩くと何でも忘れてします」




と怒られことも珍しくありません。




しかし、悪いことだけではありません。




嫌なこと、辛いことがあっても一晩寝れば大概のことは忘れてスッキリとします。




もちろん完全に忘れてしまうわけではありませんが、何かのきっかけがない限り思い出すことなく過ごせるほどに忘れます。




 周囲の人に「気持ちの切り替えが早くてうらやましいと」と言われると、忘れることも悪いことばかりではないなと感じます。






500仏教豆知識シール241 八正道【7】7正念




お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。




これを八正道【はっしょうどう】と言います。




その中の1つに正念【しょうねん】があります。




正しい心の落ち着きを保つことで、悪い心を離れて、正しい道や正しい教えを忘れないことを説く言葉となります。




もしも私のように物覚えが悪い人が「正しい教えを忘れない」と言われると「正念」は実行することが難しい教えのように感じるかもしれません。




しかし、この教えは記憶力の良さを競うような教えではもちろんありません。




心の落ち着きを保つことが大切なのです。




先程、私は「一晩眠れば大概のことは忘れてスッキリする」と自分の姿を紹介しました。これは、




嫌なことがあり心が乱れとしても、一晩眠ることである程度ですが心が落着いてきていることを表しているようにも感じます。




では、寝ているときにしか心を落着けることはできないのでしょうか。




もちろん、そのようなことはありません。




起きているときに、深く眠るほどスッキリすることができるのが坐禅です。




坐禅の呼吸は丹田式【たんでんしき】呼吸とも言われる、お腹を使う呼吸です。




息を吐いたときにはお腹がへこみ、

息を吸えばお腹が膨らむ。





寝ている間に無意識に行っている呼吸です。




しかし、私達は起きている間は特別に意識をしない限り、




息を吸ったときに胸が動く呼吸をしています。




坐禅では意識をして寝ているときのような息をすることで呼吸を調えているのです。




極端は表現をするならば




起きているときに寝るほどに落ち着くことができるのが坐禅であり


落着くことで忘れるのが「悪い心」です。


反対に良い心は「衆生本来仏なり」と表現されるように私達が生まれたときからいただいている既に持っているものですので、心が調えば調うほどに本来の姿をはっきりと感じることができるのです。





つまり、記憶力が良くても、物覚えが悪くても平等に「良い心」を感じるための努力を続けることも正念と説くことができるのではないでしょうか。




 物覚えが悪い私でも努力することができると思うとホッとします。

苦を滅する8つの正しい実践 八正道【はっしょうどう】 その6 正精進【しょうしょうじん】


500仏教豆知識シール240 八正道【6】6正精進




「エジソンは何をした人ですか」



と聞くと



「電球を発明した人」



と答える人が多くいます。



先日、電球のことを調べていると、エジソンは電球を発明したのではなく、電球の寿命を飛躍的に伸ばし販売に値する商品にした人であることが分かり、衝撃を受けました・・・





お釈迦様は苦を滅し、理想を実現するためには、8つの正しい道を修行することが大切であると説かれました。




これを八正道【はっしょうどう】と言います。




その中の1つに正精進【しょうしょうじん】があります。




「精進」は仏教の言葉で、



精魂をこめてひたすら進むことを意味する言葉です。




また本来は、出家したのちひたすら宗教的生活の一途に生きることを意味します。




「精進」を簡単な言葉にすると「一生懸命に努力すること」となります。




この精進に「正」がついて正精進となり、正しい努力を続けることを説く言葉となります。





エジソンが生きた時代には、以前から数時間しか光らない電球はすでにあったようですが、数時間しかもたない電球を購入する人はいません。



そこでエジソンは実験を繰り返し、発光部分に竹を使うことで電球が200時間光り続けるようになることを発見します。



さらに世界中の竹を集めて実験を繰り返すことによって日本の真竹を材料にすることによって発光時間が1,200時間にまで延びることを見つけ出しました。



これによってエジソンは電球の発明者と言われるようになったそうです。




エジソンが電球の材料として「竹」を使うことを発見するまでには多くの努力を続けました。




さらに「竹」が良いことに気が付いてからは、さらに努力を続けます。世界中に1,000種類以上あると言われる竹を全て集め、実験を繰り返したそうです。



その努力の先に日本の真竹があったといことです。




私はエジソンが行った努力は蜘蛛が巣を貼る様子に似ていると感じます。




蜘蛛は巣を大きく貼ることによってエサを捕まえる確率を高くしていきます。小さな巣にもエサとなる昆虫が飛び込んでくる可能性はありますが、大きくなればその可能性は高くなります。




蜘蛛が大きな巣を貼ることは、エジソンが世界中の竹を集めることとよく似ています。




そして大きく貼った巣に小さな生き物が引っかかることは、エジソンが最良に「竹」に出会えたことによく似ています。




そして、この努力こそが正精進なのだと思います。




私達の生活で言えば、「まずは、何かに挑戦すること」も正精進の1つではないのでしょうか。




いろいろな事に挑戦することは蜘蛛の巣を大きくすることだと思います。




まずは挑戦、そしてさらに多くのことに挑戦することによって、どんどん巣は大きくなってきます。




そして、大きくなった巣に引っかかる生き方を見つけることができれば、自然とその道を極めるための努力を続けることができるのだと思います。




「まずはやってみる」という努力を続けることも、道を究めるための努力を続けることも、どちらも正精進といえるのではないでしょうか。
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、30代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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