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昔からの良い習慣は後世に自然と伝わっていく 【禅寺の習慣と誤嚥性肺炎】

500坐禅手帳作成用 こまめ 坐禅 息を吐く 呼吸


僧侶になってから誤嚥性肺炎【ごえんせいはいえん】という言葉をよく聞くようになりました。


その名の通り、誤嚥・食べ物を誤って食道ではなく肺へ飲み込み、肺炎になるのが誤嚥性肺炎です。


高齢者の死因としてよく聞きます。


先日、誤嚥性肺炎の原因と予防方法を学びました。






原因の多くはうまく飲み込むことができない嚥下障害【えんげしょうがい】だそうです。




そして、予防方法が



1.複式呼吸の練習

2.発生練習

3.姿勢を正しての食事





とのことです。腹式呼吸をして、声を出し、姿勢よく食事をする・・・ そうです、お寺の生活習慣そのものです!!





1.坐禅は腹式呼吸(丹田式呼吸)を大切にしています。

2.大きな声でお経を読みます。

3.姿勢を正して真剣に食事をします。







お寺で昔から守られてきた良い習慣が、健康に過ごすための方法そのものだったのです。




嚥下障害を予防するために腹式呼吸をして、声を出し、姿勢よく食事をしよう!



と言われたから良い習慣が続いてきたわけではありません。






大きな救いがあると実践した人々が感じたからこそ、良い習慣は後世に自然と伝わってきた。



そして最近になって良い習慣が科学的に実証されてきたのだと私は感じています。






習慣 は 古臭く、守らなくていけないものではなく「大切だと感じるからこそ守らずにはいられない・大切な人に伝えたいと感じるもの」なのだと思います。

小学校入学前の子供と食事の前のお経を唱えました・・・

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「赤膳体験」という行事で東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児が本堂にご飯を食べにやってきました。




※その際の様子はこちらの記事をご覧ください。





せっかくお寺に来てくれていますので、食事の前にみんなでお経をお唱えしました。




食事前の「誓いの言葉」である、食事五観文【しょくじごかんもん】をお唱えいたしました。




食事五観文は「食事の五つの誓い」とも言われ、昔ながらの言葉使いで





一つには、功の多少を計り彼の来所を量る

二つには、己が徳業の全欠をはかって供に応ず

三つには、心を防ぎ過貧等を離るるを宗とす

四つには、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり

五つには、道業を成ぜんが為に、将にこの食をうくべし







とお唱えします。難しい漢字が多いのでひらがなで表現すると





ひとつには こうのたしょうをはかり かのらいしょをはかる

ふたつには おのれがとくぎょうの ぜんけつをはかって くにおうず

みつには しんをふせぎ とがとんとうをはなれるを しゅうとす

よつには まさにりょうやくをこととするは ぎょうこをりょうぜんがためなり

いつつには どうぎょうを じょうぜんがために まさに このじきを うくべし








となります。一般的な訳は





一つ、すべてのものに感謝してこの食事をいただきます

二つ、自分の日々の行いを反省してこの食事をいただきます

三つ、欲張ったり残したりしないでこの食事をいただきます

四つ、体と心の健康のためにこの食事をいただきます

五つ、みんなが幸せになるためにこの食事をいただきます  






と言ったものです。




残念ながらこの文章を小学校に入学する前の子供達が読んでも理解しきれません。


そこで、今回は彼らが普段から使っている言葉で伝えようと考えました。






ごはんを食べる前に5個の大切な気持ちを持ちましょう


1つ目は「ありがとう」という気持ち
作ってくれた人、運んでくれて人、収穫してくれて人、全ての人・ものにありがとうという気持ちです。


2つ目は「ごめんなさい」という気持ち
私が生きていくために、あなたの命をもらいます、ごめんなさいという気持ち。


3つ目は「悪いことをしません」という気持ち
好き嫌いをしません、他の人からとりません、残しませんという気持ちです。


4つ目は「薬としていただきます」という気持ち。
薬を飲むときにとっても大切に飲みます。その薬と同じように食事も大切にいただきますという気持ちです。


最後の5つ目は「がんばります」という気持ち。
ごはんを食べた力で みんなのためにがんばります という気持ちです。








このように話をしましたが、彼らの心に響いたか、確証はありません。



しかし、改めて食事五観文について考えたとき、自分自身が本当に「ありがとう、ごめんなさい、悪いことをしない、大切にする、がんばる」という気持ちを今でも大切にしていると言いきれないのではないかと感じました。


たとえ、子供達に伝わっていなかったとしても、


改めて食事への向き合い方を考えるきっかけをいただき、自分自身は食事五観文を大切にして言ことを心に誓いました。

※食事五観文について以前詳しく記事にさせていただいています。興味のある方は是非ご覧ください!

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自由な発想

毎月1回 東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある保育園の園児が坐禅体験にやってきます。



坐禅が終わると、茶礼(行儀よくお茶とお菓子をいただく)です。




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今月は「8の字」というお菓子を出しました。




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静岡の郷土料理ならぬ郷土お菓子です。






8の形をしているから「8の字」です。





幼いころからこのお菓子を食べ名前を知っている私には「8」にしか見えません。




しかし、園児達はまだ「8の字」を知りません。




ですから、園児にとってはただ珍しい形をしたお菓子が目の前に運ばれてきたのです。




すると、彼らは目の前のお菓子について感想を言い始めました。




「あ~ メガネの形だ!」

「あ~、お尻の形だ!!」

「ハートの上の部分だ!」

「マンガの目の形だ!」

「雪だるまでしょ!!!」







「8の字」という名前を知ってしまうと8にしか見えていませんでしたが、「8の字」という知識を取っ払えば、何にでも自由自在に見えることができることをを教えてもらいました。

自分のものを捨てる

仕事が終わった時、机の上には何もない


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そんな生活を20年程続けています。



机の上に何もないとすっきりとするし、次の日も気持ちよく仕事を始めることができます。


この習慣は大学4年から3年間お世話になった研究室で身につきました。


理系の大学で、いわゆる「実験系」と呼ばれる研究室でしたが、厳しく指導されたのは学術的なことよりも、実験結果に直結する「整理・整頓・洗い物」だったように記憶しています。





中学校の教員になったときも、職場に毎日机をきれいにして“マイ布巾”で拭いてから帰る先輩がいたため、この習慣を続けることができました。




しかし、「机の上がきれいだと気持ちがいい」という感情はときに暴走を始めることがあります。





机の上をきれいに保ちたい

机を汚すものが許せない

ものを捨ててしまえ!!





この暴走によって必要なものまで捨ててしまったこともありました・・・


最近は「断捨離」という言葉が流行し、世間に「ものを捨てることがすばらしい!」という流れがあることを実感しています。




自分のものを捨てるんだから何が悪いの!?




私もそう考えていました。


しかし、どんなにものを捨ててもモヤモヤした感情があることがあります。






先日 漫画家・イラストレーターのみうらじゅんさんの記事を読んで「自分のものを捨てる」という概念が変わったように感じます。
対談の中で みうらじゅん さんは




ぼくはたいへんな数の要らないものと暮らしています。人が来たときに「わぁ!」と喜んでもらうために置いているのです。それだけのためにこうして、家を借りてるわけですよ。




と語っていました。





みうらさんも 「自分のもの」を捨てていたのです。


私は「自分のもの」の「もの」を捨て、


みうらさんは 「自分のもの」の「自分の」を捨てていたのです。


自分のためではなく、「自分の」という概念を捨てて来た人に喜んでもらうために“もの”があるのです。






現在は多くのものがあふれています。


モノを捨てればすっきりします。


しかし、モノを捨てることに喜びを感じても、本当にこれで良かったのか悩むことがあります。


それはモノを全てゴミに変えることが良いことだと思えないからです。


モノを生かし切れていない自分に気がついているからこそ、モヤモヤを感じるのです。





そんなときにこそ大切なのが「自分の」という考えを捨てることなのです。


「自分の」という概念をなくし、目の前にあるものをどのように生かしていくかを考えることこそが、本当に大切な「捨てる」ということだと感じます。

涅槃図に学ぶ平等性

600保育園児の坐禅体験 【平成31年2月】2



お釈迦様が亡くなれた際の様子を描いた「涅槃図」を坐禅体験にやってきた保育園の園児に見せて



「何か気がついたことはありますか?」



と質問をすると






「あ、あそこに象がいる!!」

「鬼がいる!!」

「見たことがない動物がいる!!」






など元気な声が聞こえてきます。



600保育園児の坐禅体験 【平成31年2月】3



子供達は、純粋な目で見えたことを たくさん話してくれます。


毎年恒例の楽しいひと時です。


しかし、今年は一味違う言葉が出て、驚きました。




「動物さんも、人間も、鬼さんも み~んな、地面に座っているね!」




と答えた保育園児がいたのです。




毎年、涅槃図を見て来ました。



以前は、子供坐禅会でも毎日涅槃図を見せて話をしてきました。
※涅槃図の話しはこちらをクリックしてください。







しかし、これまで私は、亡くなったお釈迦様に寄り添う全てのものが同じ高さにいることに気がついていませんでした。




涅槃図には様々な教えが詰まっています。





私は涅槃図に描かれた亡くなったお釈迦様は、私達が生まれたときから頂いている尊い心も表していると考えています。




そして、改めて「動物さんも、人間も、鬼さんも み~んな、地面に座っているね!」ということを考えて見ると、涅槃図は





私達の中にある尊い心が輝きだしたとき、私達の前に広がる全てのものに地位の差や貧富の差などなく、全てが等しく尊いものだ





とも説いてくださっているように感じます。
人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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